そんな団員の声が響き渡る中、水槽の中でサメが俺の突き落としたピエロに襲いかかる。
はっ、ザマァ〜〜ミロ!!!!
仙人を馬鹿にするからこうなるんだよ!ばーか!
妖術を使わせられてるせいで顔が赤い…
ごめんね遼太ぁ!早く迎えに来れなくて!!
君に勉強教えてる身としてなんか不甲斐ない!
あーらら、善人気取りってバレてらァ。
にへッ、俺はあなたとその他数人以外には優しくしないって決めてるからなぁ…ごめんよ。
倉橋くんが何か言おうとしたタイミングで銃口を向けられる音がし、それぞれ弾を避ける。
…俺は下に、倉橋は後ろに。
あれは…もしやサーカスの座長ってところか?
降りてこいと言われたので、大人しく降りる。
ここで反抗して、調査どころじゃないような面倒なことになるのは避けたいからな。
降りてすぐ、下っ端の白い狐面の男と狩衣姿の男から狐の匂いがして顔をしかめる。
狩衣姿の男からは、狐の匂いの他にあなたに似たような匂いもする…正体は確定だな。
にしても、あの赤虎は大丈夫なのか…?
…赤虎も不安だが、アイツは出し物……あまりひどい扱いはされないはずだし、一旦無視だ。
結局は後々全員助けることになるんだしな。
金曜の夜、となると…俺らが冤罪で捕まった日。
朱雀までいないタイミングだ…恐らく、全部狐が裏で糸引いてるって感じだな。
でも、まずはあなた様について教えてやるよ。
あなた熱狂ファンって数少ないからさ、ファンの中で周知の事実みたいなのあるんだよね。
「あ、コイツ古参だ」とか「コイツいっつも愛を叫んで蔑まれてる羨ましい人だ」ってあるの…
だから今回はバレました!!!ハイ!
とはいえ、ここまで非人道的なことをしておいて妖怪堕ちの心配をしないのは不思議だな。
これ、確定で妖怪堕ちするような所業だろ?
妖怪のことについて知ってるなら、妖怪堕ちについても知ってるのが道理だろ…どうなんだ?
回答は "知らない" …?妖怪のことについては知っているくせに、妖怪堕ちは知らないのか?
やっぱ、なんか欠けてる…いや、もしかして
イタズラ…狐が面白半分で行うもの。
あなたや晴明が良い例だが、あなたが憎んでいる相手である今回のターゲットも悪戯好きだったはず。
そうだとすると、あの三下のフリした妖怪…
やっぱり任務のターゲットか。
そもそも、倉橋は下っ端どもの相手をするはず。
まぁ、多少は俺に回ってくるだろうけどね。
封じの札は晴明が作ったと考えるのが妥当だし、それは兄を重んじて仙人無効になるはず。
だから俺は無効、倉橋も妖怪じゃない以上無効。
とはいえ、それで調子に乗っても駄目だろう。
所詮、俺は仙人だ。あなた様みたいに五感の中の数個が優れた仙狐なる高貴な存在ではない。
だからこそ───…
ここは負けるわけには行かないんでね。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。