第14話

隣人が神だった件
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2024/07/16 09:00 更新
教徒
あなたは神を信じますか?
宇治蒼汰
信じません。
ドアを開けた瞬間、開けたことを後悔した。
最近、よく出現すると噂の宗教勧誘だ。
教徒
我が「結び教」を信仰してみてはいかが?
宇治蒼汰
遠慮しておきます。
教徒
そう言わず…パンフレットだけでも受け取ってみては?
宇治蒼汰
遠慮しておきます。
…めんどくさい。
多分、これ信仰するって言うまで帰らないよね?
教徒
我が教を信仰すれば、人生観がガラッと変わるんですよ!?
宇治蒼汰
出ていく気配がない。
うわ…どうしよ。でも、警察沙汰にはしたくないしな。
一向にいなくなる気配のない教徒に、頭の悩ませていると…
高橋桐斗
ん?誰その人?蒼汰のガールフレンド?
なんで冗談を混ぜながら、桐斗が部屋から出てきた。
宇治蒼汰
…これのどこがガールフレンドなんだよ。
教徒
…そこのお友達も!神は信じますか?
俺に勧誘しても無駄だと思ったのか、今度は桐斗を勧誘し始めた。
高橋桐斗
神ですか…信じますよ。
信じるんだ…そこ。
後々めんどくさくなるぞ…
教徒
なら…
高橋桐斗
だって、俺が神なんで。
一瞬、時が止まった。
さっきまで、威勢よく勧誘していた教徒の動きもピクッと止まった。
なんなら、俺も困惑している。
神?お前が?
高橋桐斗
まさか、神に勧誘してくるだなんて思ってませんでしたよ。あ、もちろん信仰には乗りません。
教徒
あ、あなたが神だなんて!不敬よ!
高橋桐斗
…不敬なのはそっちでは?神様相手に偽物扱いだなんてね。
怖いわーとか言いながら、怯えるふりをする桐斗。
お前…いろいろと凄いね。
高橋桐斗
あ、あとこの荘の連中信仰させようとしても無駄ですよ?ここの全員、俺のこと信仰してるんで。
おー…トドメも刺してきたね。
高橋桐斗
でしょ?
桐斗が俺に問いかけてきた。
…コイツを信仰したくはないけど、この教徒が帰らないのはめんどくさいしな。
宇治蒼汰
ですね。神様。
俺の発言がトドメに入ったのか、教徒は足早に階段を下りていった。
高橋桐斗
お、下りていったな。
宇治蒼汰
桐斗。神様って本当?
高橋桐斗
…そんなわけなくね?さっきの教徒を帰らすためのテクニックだよ。
へぇ…テクニック…
中川絵夢
ねぇ、桐斗〜!神様なんでしょ?この暑さなんとかして!
赤羽智夏
扇風機!せめて扇風機だけでも欲しい…
翌日、桐斗が神様だと言うことを伝えると、総出で桐斗の元へとやってきた。
東雲翆
桐斗…いや神様。MacBookくれ!
入間菫
…じゃあ、この本でも。
高橋桐斗
蒼汰?お前なにした?
宇治蒼汰
なにもしてないって。ただ、桐斗が神様らしいって話はしたけど。
宇治蒼汰
でも、叶えてくれるんでしょ?神様。俺、テニスラケット欲しい。
ずっと、頭を抱えていた桐斗が、吹っ切れたように戻った。
高橋桐斗
あー…分かった分かった。扇風機も本もラケットも買う。ただ、MacBookは高いから別のにしてくれ。
流石神様だね…

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