ドアを開けた瞬間、開けたことを後悔した。
最近、よく出現すると噂の宗教勧誘だ。
…めんどくさい。
多分、これ信仰するって言うまで帰らないよね?
出ていく気配がない。
うわ…どうしよ。でも、警察沙汰にはしたくないしな。
一向にいなくなる気配のない教徒に、頭の悩ませていると…
なんで冗談を混ぜながら、桐斗が部屋から出てきた。
俺に勧誘しても無駄だと思ったのか、今度は桐斗を勧誘し始めた。
信じるんだ…そこ。
後々めんどくさくなるぞ…
一瞬、時が止まった。
さっきまで、威勢よく勧誘していた教徒の動きもピクッと止まった。
なんなら、俺も困惑している。
神?お前が?
怖いわーとか言いながら、怯えるふりをする桐斗。
お前…いろいろと凄いね。
おー…トドメも刺してきたね。
桐斗が俺に問いかけてきた。
…コイツを信仰したくはないけど、この教徒が帰らないのはめんどくさいしな。
俺の発言がトドメに入ったのか、教徒は足早に階段を下りていった。
へぇ…テクニック…
翌日、桐斗が神様だと言うことを伝えると、総出で桐斗の元へとやってきた。
ずっと、頭を抱えていた桐斗が、吹っ切れたように戻った。
流石神様だね…












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!