第30話

不安
679
2020/11/01 13:29
3回目のデート。
動物園。

4回目のデート。
ショッピング。

明日は5回目のデート。
ワクワクしていると、浪川から電話が来た。
浪川大輔
浪川大輔
ごめん。
明日夕方からでもいい?
あなた

はい。
大丈夫です。
浪川さん……大丈夫ですか?

浪川大輔
浪川大輔
うん。
なんで?
あなた

いぇ。
それじゃ……明日。

電話を切るとスマホを机に置いた。
あなた

なんか……声のトーン低かったな……。
具合悪いのかな……。

気にするのを止めて、そのまま布団に入ると次の朝、先輩からの電話で起きた。
先輩
悪い!
出勤前に部品取りに行ってくれない?
あなた

はい。
分かりました。

先輩
悪いな。
先輩に頼まれ、仕入先まで部品を取りに行くと近くに浪川の家がある事を思い出した。
あなた

確かこの近くって前に言ってたな……。

そんな事を思いながら車を運転していると、信号待ちでふと前の車を見た。
あなた

え……。

何回もメンテナンスしていたから見間違えるはずはない。
浪川の車が前にいた。
隣に女性を乗せてるのが分かる。
あなた

いゃ、まぁ。
正式に付き合ってるわけじゃないし……。

青信号になると浪川の車が走り出した。
あなた

私には……関係ない。
関係ない。

自分に言い聞かせるように呟くと車を走らせた。

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