kr side
朝日で目を覚ます。
ああ、今日もいい天気…小鳥さんもにっこりと思いながら窓を開ける
ぞろぞろと起きてくる皆も、腕を摩ったり震えていたり上着を着ていたり、寒そうだ。
最近、何故かスマイルはこうやって俺に対して逆張りをしてくる。
反抗期の延長戦みたいなものだと思っているけど、こいつの性格がこうなのかもしれない。
なんなんだあいつ!!と怒りたいところだが、俺にはそんなことをしている暇は無い。
皆がご所望のストーブ様を押し入れから引きずり出さなければ……
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sm side
学校に着いて、ジャージに着替えてから足がさむ…何だか涼しい。
半パンなのもあって俺には合わない。
今日14度らしいな〜、と続けて言われる。
そういえば、きり兄そんなこと言ってたな。でも上着いらないって言ったし、こいつの借りたら負けたみたいだ それは嫌だ
見たところ1枚しか無さそうだし、それは流石に申し訳ない
なんか、頭ぼーっとする。
ダメだ、これから授業受けるんだからしっかりしなければ。
頭の痛さも体の鳥肌も無視だ。
わははと盛り上がるみんなの声が頭にひびく。痛い。
俺、前もきり兄とこんなことしてたんだ。
きっと、寝ればきっと大丈夫だ。
早退なんて負けを認めるようなこと、俺は絶対にしないぞ…
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きり兄?いや、学校にいる訳ないだろ…これは夢だな
なんで、確か俺は先生がいなかったから仕方なく()勝手に保健室のベッドで眠ろうとして…
それで、寝っ転がってたら確か先生が戻ってきた足音がして、周りがうるさくなって意識が落ちた。
こんな感じだった気がする。
ぶつぶつ文句を言いながらも俺の荷物をまとめて持ってくれてるのがなんか面白い。
きり兄に支えてもらいなんとかタクシーまで行く。
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前編はここで切です
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。