篠塚side
採血が終わってしばらく。
周杜は俺の腕を掴んだまま呼吸を整えていた。
さっきまでの緊張が一気に抜けたのか体が重そう。
小さな声。
周杜はそれ以上何も言わなかった。
俺の胸に額を押し付けたままゆっくり目を閉じる。
数秒後、呼吸が完全に規則正しくなった。
そうやって二人でこそこそ話していた時
玄関の鍵が回る音がして
少ししてから足音が近づいてくる。
帰ってきたのは聡さんで
リビングに入ってきて状況を一瞬で把握した
そうやって俺の腕の中で眠る周杜をみる。
その言葉に3人で少し笑う。
聡さんが指でキッチン側を示す。
将生は頷いて
二人はそのまま移動した。
松島side
キッチンのカウンター。
タブレットを開いて将生と並んで画面をみる。
僕たちはそのまま同時にリビングをみる。
ソファではしのが背もたれに寄りかかり
周杜を抱えたまま微動だにしない。
周杜の寝顔は少しだけ安心したようだった。
篠塚side
日付が変わる少し前。
流石に抱え続けるのはちょっとキツイし
何よりベッドで寝たほうが
周杜の体的にもいいと思って
部屋まで運んできた。
声はまだ弱いけど、さっきより落ち着いている。
それだけ答えて、周杜は再び目を閉じた。
それを確認して俺はリビングに向かった。
それから1時間後。
テーブルの上に置いてあった聡さんのスマホが震えた。
画面には周杜の名前。
聡さんはすぐに出た。
聡さんが電話を切ると同時に俺らは周杜の部屋に向かっていた。












![まさき[短編集]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/ZNnNW3qsarfytcLipf9qdAtLVMh2/cover/01JZ2XXRSPJQFP1CEZ1E5FQJRA_resized_240x340.jpg)




編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!