第21話

Episode 20:逃げない覚悟
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2025/05/04 07:32 更新
「……あなたさん、少しだけ時間いいかな。」

マネージャーからそう声をかけられたのは、
練習後、まだ汗が乾かないままのスタジオだった。

緊張した面持ちで案内された部屋には、
パンPDと、マネージャーが静かに待っていた。

(……怒られるかもしれない。)

でも、それでも、逃げたくなかった。

あなたは、ゆっくりと椅子に座る。
パンPDは、優しくも真剣な声で口を開いた。

「君の頑張りは、ちゃんと見てるよ。
でも……BTSというグループにとって、“外部の人間との関係性”は、慎重にならなきゃいけない。」

それは、まっとうな忠告だった。

あなたは、静かにうなずいた。

「……はい。」

「君のためでもある。
……わかってると思うけど、メディアやファンは、時に容赦ない。」

「……はい。」

俯きかけた瞬間、
あなたは、自分の胸に手を当てた。

(私、自分にも……ジミンにも……嘘、つきたくない。)

怖いことも、不安もある。
でも、それ以上に、大切にしたい気持ちがある。

あなたは、ぎゅっと指先を握り締めた。

そして——顔を上げる。

「……私は、パク・ジミンさんが好きです。」

パンPDとマネージャーが、少し目を見開く。

それでもあなたは、まっすぐに続けた。

「そして、ジミンを守りたい。
どんな形でも、彼を傷つけたくないんです。」

それは、震えながらも確かな声だった。

パンPDはしばらく何も言わず、
そして、ふっと微笑んだ。

「……そうか。」

それ以上、何も言わなかった。
ただ、静かに、温かい空気がそこにあった。

マネージャーも、ほっとしたように息をついた。

「……本当に、大事に思ってるんだね。」

「はい。」

あなたは、静かに頭を下げた。
覚悟を、胸に、しっかりと抱きしめながら。

もう、逃げない。
ジミンの想いにも、
自分自身の気持ちにも。

それが、今の自分にできるすべてだった。

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