静かな夜、街の灯りが遠くに揺れている。
りくは目を覚ました。
見知らぬ天井、見知らぬ部屋。
何もかもが曖昧で、手元にあったのはぼんやりとした記憶のかけらだけだった。
「ここは…どこ?」
声にならない疑問が胸を締めつける。
自分が誰なのか、なぜここにいるのか、全てが白紙だ。
頭の中は真っ白で、ただひとつだけ、心に残っているのは、漠然とした不安と、遠い記憶の幻影だけ。
見知らぬ人たちの優しい声と、静かに流れる時の中で
りくは孤独と恐怖に包まれながらも、心の奥で何かが蘇る予感を感じていた。
彼女の旅は、今この瞬間、静かに始まった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!