私の両手を包んできゃっきゃと燥ぐ冬美さん.
矢っ張り可愛い((
こてん、と首を傾げる冬美さんに揺らぐが、
家族にも確認を取らねばと其の場を離れる.
そう言うと思った((
スマホの向こうで駄々を捏ねるいっちゃん.
お母さんに掛けた筈なのに、何時変わったんだ...((
中々納得しないいっちゃんに困っていると、
様子を見に来たのか、部屋から出て来た焦ちゃん.
スマホを指すと、聞こえて来るいっちゃんの
大きな声に何となく察したらしい.
私の手中からスマホを抜き取り、
少し離れた場所でいっちゃんと話し始める焦ちゃん.
いっちゃんの声が更に大きくなった様な気もするが、
一向にスマホを返してくれる素振りは無い.
なんて考えていると、
耳から離したスマホの画面をタップした焦ちゃん.
返してもらったスマホをポケットにしまい乍ら訊く.
気まずそうに目を逸らしたかと思えば、
謝罪をする焦ちゃん.
焦ちゃんは小さく首を縦に振る.
うわぁ〜…((
いっちゃん面倒な事になるぞ…((
しょぼ…と垂れた耳と尻尾が見える.
可愛い((
胸の前で両手を振り否定し、謝罪をする.
いっちゃんは何とかしよう((
ご飯を食べ乍ら、色々な事を話した.
体育祭の活躍だとか、A組のプールの話だとか.
真剣な表情に少し身構える.
2人の間に手を差し込み、言い争いを中断させる.
何時もなら私に許可を得るのだが、
今日は私に拒否権、発言権は無いらしい.
前回は冬美さんと寝た事から、
今日は焦ちゃんと寝る事になった.
ぷく〜っ、と片頬を膨らませる冬美さん可愛過ぎる((
冬美さんは目をきらきらと輝かせた後、
はっと何かを思い出したかの様に項垂れる.
焦ちゃんは林間学校で居なくなり、
私も1年生へのアドバイスを頼みたい、と呼ばれ
少しお邪魔させていただく予定だ.
夏雄さんには彼女が居るらしいし、
プロヒーローのエンデヴァーさんは忙しいだろう.
数日間とは言え、少しは寂しくなるものだ.
…家庭の事情、と言うのもあるし.
焦ちゃんは、雄英に入学してから丸くなった様に思う.
元々丸くはあったが、
入学当初はいっちゃんから聞く学校での焦ちゃんが
私の知っている焦ちゃんとは別人の様で驚いていた.
A組の皆んなと過ごし、何か心の内が変化したのか.
可愛いから良いけど((
______翌日______
スマホのロック画面を前に出たのは驚きの声.
画面いっぱいに広がる、いっちゃんからの通知の数々.
昨日はスマホを開く間も無く寝た為、溜まっている.
最新の通知の文面には、"覚悟しといてね"の一言.
…怖((
焦ちゃんの言葉でメーターが振り切ったのか.
既読をつけたとしても、返事が見つからず
"既読無視するな"と怒られるのは想定内.
ならば…
未読の儘知らぬ振りをするのみ((












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!