富部 秋雨斗side
──時々思うことがある。
悠の隣に立つのは誰なんだろうか、と。
今日の放課後、生徒会室にいた悠は言った。
悠は俺と一生一緒にいると。
本当に一生というのは存在するのか危ういのに、そんなことを知らずにハッキリと言った。
悠とは小学校の頃からの付き合いで、今となってはなんで仲良くなったのか分からない。
でも通学班が同じこともあって、よく話していたのかもな。
────カランカラン
互いに手を振って各々家に入る。
小学校6年間。中学校3年間。高校生3年間。
俺は悠のことを隣で見続けてきた。
ひとらんの言いたいことは痛いほど分かる。
『このままの関係でいいのだろうか』
俺が悠以外の人の隣を歩くなんて考えることができないし、
知らないヤツが悠の隣を歩いているのも想像できない。
俺は多分悠のことが……。いや、多分じゃないな。
本当は小学校のころから考えていた。
「いつ言い出そうか」「まだ友だちのままでもいいんじゃないか」
そんな言葉で逃げてきた。
だって悠の気持ちが分からんから。
悠が「友だちのままがいい」と思っていたら……。「友だちだと思っていたのに」と言われてしまったら……。
俺はきっと立ち直れない。
それに今は受験を控えている。
受験に向けて頑張らんと。
家に帰ってきて30分が経った頃。
もう日が落ちてきていて、空は段々明日になることを伝えようとしていた。
そんな時───
───ピーンポーン
重い腰を上げ、インターホンに向かう。
出ると焦った顔の悠が立っていた。
泣きそうな顔をしている悠は珍しかった。
いつもなんとなくで生きている悠がこんな顔をするなんてよっぽどのことなのだろう。
そう言ってインターホンを切った。
急ぎ足で玄関に向かった。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。