その声を聞いて近くにいた2人の警官達が駆け込んできた。
男は一瞬動揺したが、懐から拳銃を取り出して私に向ける。
『…………。』
「……あなたさん。」
「来るな!それ以上近づいたら撃つ!」
バーボンが咄嗟にかばってくれるけど、
銃口が私達に向けられているのには変わりない。
男は警官達が足を止めたのを見て、にやりと笑った。
Bourbon side
(………何だ?)
銃口を持っていること以外に、怪しい動きはない。
何を仕掛けてくるつもりなんだ…?
そう考えていたのも束の間。
ドンッ…………!!!!
『………っ』
重い音が響き、向かいの部屋が崩れ落ちた。
(爆弾か…!遠隔操作かと思ったが…時限式だったとは……)
あなたさんを後ろに庇い、犯人の次の行動を見る。
男は、動揺する僕の部下を嘲り笑い、スイッチのようなものを取り出した。
「次はこの部屋だ。」
「何が目的だ!」
「……さぁな。」
僕の部下の質問にもろくに答えず、
ただこちらの様子をうかがいながら立っている。
僕は後ろにいるあなたさんをちら、と見て
これくらいなら大丈夫だろう、と、
「……要求は?」
私立探偵、安室透としての質問を繰り出した。
男は少し考えたあとに返答する。
「lairaを寄越せ。」
「………!」
あなたさんが息を呑んだ気配がした。
と同時に、犯人の背後を、見慣れた人物が一瞬通り過ぎた。
(あれは……風見……!)
数秒後に、開いているドアの金具の隙間から
再び風見が顔を覗かせる。
男は…というか、僕以外誰も気付いていない。
(……参ったな………)
瞬時に戦略を立てた僕は、
この状況はどう足掻いても、僕が公安として動かなければ
こちらに勝ち目はない、と気づいてしまった。
(………仕方ない。)
あなたさんになら、バレたって構わないだろう。
『…………。』
覚悟を決めた僕は、部下のうちの一人に目線で合図を送る。
それから、犯人と反対方向に視線をずらした。
"暫く犯人の注意を引き付けろ"
彼は小さく頷いた。
"了解です"
「分かった…要求を飲もう。」
彼はわざと男の要求を飲んだふりをしてくれる。
思いがけない警察からの返事に
犯人の視線はそちらに向く。
僕はその隙に、風見ともう一人の部下に視線を送って、
手を下にやったまま、合図した。
"3,2,1………"
『今だ!』
僕の声を合図に、
僕を含めた四人は一斉に動き出した。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。