“安室さん”であるときの降谷さんを表す。
店内に響いた心地よいベルの音みたいに、
高い方にある右手は単音を多くしている。
転がるように少し早く、でも
駆け回っていた子供のときよりは落ち着きのある。
大人の余裕を見せるために、左手は和音。
"いらっしゃいませ!"
(…ほんと、すごいなぁ………)
3つの顔を使い分けるなんて。
私は2つで精一杯なのに。
スラーを多く入れて、滑らかにした。
左手を少し上げて……調はそのまま。
…なんで、転調しなかったんだろう。
今更ながらに思う。
でも、多分………
少しでも、彼の一部に近づきたかったんだろうな………
今から弾くのは、最後の章。
………私から、貴方に向けて奏でる音なんだから。
降谷 side
(…変わった………)
舞台袖から聴く、あなたさんの音。
転調もしていないし、雰囲気がガラッと変わったわけでもないけど
安室のパートからなにかに変わったことは分かった。
左手の音域が全体的に上がり、
可愛いというよりは綺麗で、美しい……
でも少し切ない音が鳴った。
考えてみたけれど、僕の中の何でもなさそう。
(もしかして…………)
今奏でているのは、僕じゃなくて………
あなた side
伝えきるんだ。
この機会しかない。
以前、断ってしまった告白。
後悔はしていないけれど、
ああしてよかった、と思ったこともなかった。
これは私の音。
いつからか抱くようになっていた………
貴方への、恋心。
今回短くてすみません……!!
次回、最終話です!
そして多分、最終話の投稿は
かなり遅くなります……💦
首を長くして待っててくれたら嬉しいです。
その間、このシリーズの別作品の方を
更新していきますので!
ではまた、最終話で!













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。