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第1話

𝝑𝝔
56
2026/06/06 09:25 更新










  白石玲央しらいし れお , 21歳


  わたしの人生を一言で表すなら

  「 パッとしない 」

  —— いや ハッキリ言うと

  「 最悪 」 だった 。




  鏡に映る自分の顔が大嫌い

  この顔のせいで性格もジメジメと暗くなり

  友達はゼロ 。

  職場でも 「 あの子 なんか喋りづらいよね 」

  と腫れ物扱いされ , いじめとまでは

  いかなくても , 綺麗に避けられる毎日 。




  そんなわたしの唯一の現実逃避が

  画面の中でキラキラ輝く

  韓国のアイドルを見ること 。

  そして , 幼少期から唯一続けている

  ダンスを踊ること 。


  ステップを踏んでいる間だけは

  自分が醜い現実を忘れられた 。


  でも 踊り終わって鏡を見れば ,

  そこにいるのはやっぱり冴えない自分 。


  運動も勉強もダメ 。

  わたしを愛してくれるのは

  世界でたった2人 , 不器用で優しい

  両親だけだった 。




  なのに 。






‧⁺ ⊹
  ……  うそ  ,  でしょ  …  ?  







  職場に届いた , 病院からの1本の電話 。


  這う這うの体で病院へ駆けつけた時

  待合室の白いシートに横たわる2人は ,

  もう冷たくなっていた 。交通事故だった 。




  帰り道 どうやって歩いたのかも覚えていない

  涙が溢れて , 視界がぐしゃぐしゃだった 。

  一度深呼吸をして 「 泣き止まなきゃ 」

  と思っても , 2人の笑顔を思い出すと

  また涙がボロボロと溢れてくる 。

  その繰り返し 。


  心にぽっかりと

  巨大な穴が空いたような絶望の中 。




  赤信号の横断歩道に ,

  フラフラと足を踏み出していた 。






 ( キィィィィィィィッ !!! )






  けたたましいブレーキ音 。

  視界を覆う , トラックのヘッドライト 。


  激しい衝撃の後 , わたしの意識は

  真っ暗な闇に落ちていった 。












‧⁺ ⊹
  __  あぅ  ,  あ  …  







  …… ん ?


  なんだ , この緊張感のないマヌケな声は 。


  次に目を覚ました時

  そこは見知らぬ部屋だった 。

  カーテンの隙間から ,

  やわらかな真昼の光が差し込んでいる 。






‧⁺ ⊹
  (  病院  …  ?  体が動かない  .
  まさか 事故で全身麻痺に …… )
  







  焦って声をあげようとしたが

  「 う , あー ! 」 と赤ちゃんのような

  声しか出ない 。

  手足をバタバタさせようとしても

  自分の意志に反して短くて肉厚な手足が

  もぞもぞ と動くだけだ 。


  視線を必死に下に落とす 。そこにあったのは

  信じられないほどもちもちとした

  クリームパンのような幼児の腕 。






‧⁺ ⊹
  (  ぇ  ,  え  ??  何これ  ,  
  どういう状況 …… ?? )
  







  パニックになりかけるわたしを ,

  誰かがひょいと抱き上げた 。






⋆*
  あら ~  ,  玲央ちゃん  
  起きたの ?  







  優しそうな女性の声 。

  抱き抱えられたまま , 部屋の隅にある

  大きな姿見の前を通りかかる 。


  その瞬間 , わたしは鏡の中の

  「 それ 」 と目が合った 。






‧⁺ ⊹
  あ  ,  ぅ  ……  
  ( え …… )  







  そこに映っていたのは

  色白で 信じられないほど もちもちの肌 。

  こぼれ落ちそうなほど大きくて

  きゅるんとした , 少女漫画から

  飛び出してきたような黒目 。


  まだ髪の毛も薄い赤ん坊だというのに

  すでに将来 「 絶世の美女 」

  になることが確定している ,

  神の最高傑作のような顔面 。



  ねぇ 待ってよ 。もしかしてこれって

  " 転生 " ってヤツ …… ??

  しかも 。






‧⁺ ⊹
  (  かわいすぎてない  ????  )  







  あの不細工な自分はどこへやら


  鏡の中にいる 規格外のポテンシャルに

  わたしの脳は一瞬でキャパオーバー 。






‧⁺ ⊹
  (  ぁ  ,  ダメだわこれ もう意味わかんない  .  
   いっそ寝ちゃお )
  







  わたしはそのまま , 大きい瞳を閉じ

  再び深い眠りへと落ちていった 。










 𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⤿









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