カン!!!!!
山奥の小さな木造の建物の隣、「場刀鍛華桜」と書かれた鍛刀場がある
「鍛錬」
それは、日本刀における重要な工程だ
「玉鋼」の炭素量を整え、強度を高めるため叩き延ばし折り曲げまた叩く
この鍛錬を含む高度な技術を以て行われる幾つかの工程を経て
鋼の塊は_______
美しく強靭な刀へと変貌を遂げる
この無駄に元気が良くて明るい人は、俺の兄
名前は桜華奶子
この国で1番有名な刀匠…らしい
独自の加工法で特別な刀が作れるなんかすごい人
そんな優秀で尊敬してる兄の弟が俺
俺の名前は桜華 蘭
俺はそんな兄の下で日々修行に励んでいる
兄は、刀を作る時だけ雰囲気が変わる
いつもと大違い
こんな兄だが、実は10年前に終戦した「冥々戦争」の戦地に行った人たちよりも名を上げた人だ
…え?誰が教えてくれるかって?
この人、宵崎 威琉魔さん
兄さんの古くからの友人で、たまに家に遊びに来る
ちなみに初対面はちょっと怖かった
実際、兄さんものすごくブラコン何だけど
いざ鍛刀場に入ると一気に雰囲気が変わっていつもより背中が大きく見える
…俺は、そんな兄さんが大好き
昼ごろ花見団子持ってきて夕陽が沈むぐらいまで喋ってるから喋りすぎたとかあるの??
兄さんは時々変なこと言い出す
今の俺じゃ、わからないようなことだらけだけど
確かに、物心ついた時から身の回りには刀があったし
深く考えずにいた
確かに、刀は握る機会がないからこそ重宝されるし戦争でも活躍する
…人が残酷な姿になるように
兄さんが言ってることは、嘘でも作り上げられた話でもない
真っ直ぐな目で訴えてくる
でも、それでも俺は兄さんの隣に立ちたい
ザシユッ!!!
【38ヶ月後】
パラ…パラ…
「高楼組を追い出せ!屈するな!街を____
高楼組を___
追放運動!街を取り戻せ!!
高楼組を追い出せ!!
ガッ
パキキ…パキ…
メラ…
ガタンゴトン ガタンゴトン
ガタンゴトン
え、何でいるの
ガタンゴトン
「おい、あれ…追放運動の人達だよな」
「高楼組に歯向かったりするから…」
「俺たち市民のために戦ってくれてたんだぞ!!」
「だがこうなることも目に見えてだろ」
「いや、嫌ぁぁ…!!」
高架の柵に吊り下げられた、殺されたであろう人達
話を聞く限り歯向かったであろう人達
…罪のない人達
ガッ
ドサ…
トッ
ザシユ
ブワッ
ザシュ
よく見える
一線を越えずに、一定間隔をとっている輩
隙間だらけの上空
無座間に振りかぶる刀
簡単に首元を斬れる
トッ












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。