今日は活動休止前最後の仕事。
それは「みんなでピクニックをする」という、自作コンテンツの撮影だった。
天気はよくて、風もやさしい。
レジャーシートを広げて、持ってきたお弁当を並べるだけで、場の空気は一気にゆるんだ。
sh「見てください、これ僕が作りました!」
gn「これは俺」
ho「どれも美味しそうだね」
そんな他愛もない会話が飛び交う。
js「サンウォニ、こっち座りやすいよ」
ジュンソがさりげなく場所を空ける。
別に特別扱いをしているわけじゃない。
だけど全員が、この仕事が終わればしばらくの間サンウォンとカメラの前に立つことはなくなるとわかってた。
だから自然とサンウォンを囲うようになっていた。
サンウォンは腰を下ろし、お腹の前で手を重ねた。
服の上からでも、知っている人が見れば分かる膨らみだった。
sw「…ありがとうございます」
そう言うと、リオが隣に座る。
lo「今日はゆっくりでいいから」
サンウォンは小さくうなずいた。
お弁当を食べながら、たくさん話した。
仕事の話も、どうでもいい冗談も、全部。
でも、時々、ふっと空気が静かになる。
カメラには映らない程度に誰かがサンウォンのお腹に視線を落として、すぐに目を逸らす。
言葉にはしないけれど、全員が「今」を大切にしていた。
お弁当を食べ終わる頃、サンヒョンが立ち上がりだした。
sh「鬼ごっこしましょ!」
その一言で空気が一気に明るくなった。
ln「やるやる」
js「よし、じゃあリオが鬼ね」
lo「俺!?」
gn「おーにさーんこーちらー」
マンネラインにつられてジュンソヒョン、リオ、ゴヌも立ち上がった。
サンウォンとアルノはシートに座ったまま観覧だ。
芝生を駆け回る笑い声。
転びそうになってはしゃぐ姿。
本気で逃げて、本気で追いかけているのに、どこか可笑しい。
サンウォンは、その光景を座ったまま見守っていた。
ho「みんな元気だね笑」
sw「はい」
かわいいな。
転ばないかな。
そんなことを考えている自分に、少し驚く。
ー前は、こんなふうに見てなかった
リオに捕まったアンシンが、悔しそうに叫ぶ。
ax「ずるい!」
lo「ほら、あっちいっとけ!」
その様子に、サンウォンの胸の奥が、じんわり温かくなった。
守りたい。
そんな感情が、ふっと浮かぶ。
恋愛とも違う、仲間意識とも少し違う、やさしい気持ち。
手が、無意識にお腹に伸びる。
sw「…不思議」
小さく呟くと、アルノが首を傾げた。
lo「なにが?」
sw「なんでもないですよ」
サンウォンは微笑んで、また走り回るメンバーたちへ視線を向けた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!