ずっと翔太が好きだった。昔からずっと。
だから昔から翔太を見詰めていた。ずっと見ていた。
だからなんだろうな。ある日から急に避けられ始めた。
バレた。
そう考えずにはいられなかった。
俺と目が合えば目を逸らし、撮影のとき以外は隣にいないように、しっかり避けられていた。元々そこまで距離が近いとは言えなかったが、以前よりわかりやすく遠かった。こんなのバレたに決まってる。
周りのメンバーも薄々翔太が俺を避けていることに気付いているのか、時々俺や翔太を心配している様子が見えた。
そろそろ解決しないと、メンバーにも迷惑をかけるし、撮影にも影響があれば大変だ。
でもどう言えばいいんだ。どうすればまた以前のように戻れるんだろう。
…いや、まだちゃんと気持ちも伝えてない。じゃあちゃんと伝えて終わらせないと。好かれてるのが嫌だから避けているんだろ。じゃあちゃんと伝えて気持ちに区切りをつけよう。前みたいに幼馴染には戻れないけど、また少しでも友達になれるように。
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今日はメンバー全員での撮影。もちろん翔太もいる。今日の撮影が終わったあとは俺も翔太もオフだ。だから終わったら呼んで、しっかり話をしよう。
これで俺の長年の片思いも終わる。やっと終わるんだ。この胸の痛みから解放されるのは嬉しいが、なんだか名残惜しいな。そんな思いも抱えながら俺は撮影に挑んだ。
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俺は撮影後、翔太に声をかけた。
そのまま翔太を連れてよく行くお店の個室へと入っていった。
ここの料理は美味しかったから何度か翔太と二人で来た。最初に誘ったときは緊張したな。すごくドキドキした。なんだか懐かしい。
そんなこと考えている場合じゃないか。早く伝えないと。二人とも黙り込んでしまっている。
そう言ったあと、翔太は黙り込んでいた。
図星なんだろうな。
とりあえず話は続けなきゃ。
俺は今どんな表情をしているのだろうか。
ちゃんと伝えられてるかな。
静かな一言、愛も何もない。
まあ好きにさせてもらおう。
ああ俺泣いてるのか。
言われるまで気づかなかったな。
顎のあたりまで流れ落ちている涙をそっと拭い、小さく笑った。最後は笑顔で終えたいから。
なんだそれ。俺のこと避けてたくせに。
愛してくれてないくせに。
泣きそうになりながら言うと、翔太はクスクスと笑いながら俺を見つめた。
そう宣言してから俺らが付き合うまであとどれくらいだったっけな。結構すぐだった気がするけれど、それはまた別の話。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。