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第1話

第一話 この子…天使みたい
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2023/03/17 13:14
「んふふふ…RAINの記念すべき初ライブ…シュウくんばりかっこよかったわ…。」

今日も私はヲタクをしております。私の推しは『RAIN』というネットで活動しているアイドルグループの「シュンくん」。それはもう、世界一かっこよくてかわいい。見るだけでご飯が100杯食べれそうなくらい_…。




「夕蘭ー!あんたの推しのことは分かるけど、授業中!!」

私の友達であり幼なじみの鈴乃 美波だ。美波は勉強もそこそこ出来て性格もしっかりしている。正に頼れるお姉ちゃん的存在。はい、神。


「ごめん!ありがと美波~!今声出てた!?」

こそこそと喋っているとそれに気づいた先生が、

「そこ、喋る余裕あんならこの問題解いてみろー。」

だって…。私は今日はついていない日だと思った。朝はコンタクト逆に着けて痛い思いするし、9時から発売だったグッズは学校があるから買えないし…今も当てられるし。本当についてない!



結局、何とか問題を解いて難を逃れた。



「んぁ~、疲れた!」

休み時間になり私は豪快に背伸びをした。
べちっ。……ん?

「いってぇーなぁ~…。まじねみぃー……。」

「…あー…ごめん海斗~。」

このぶっきらぼうで活発そうな奴は私のもう1人の幼なじみの五十嵐 海斗。はっきり言って頭は私と同等だよね。(笑)けど、なんだかんだでたまにはかっこいいとこもあるかな。

「海斗次移動教室だからおくれないようにねー?」

横から顔を出した美波がそう言った。本当にたよりになるな〜…。

「んー、わーったわーった……。」

絶対分かってない。まあ、いくら海斗でも授業に遅れたことは無いから大丈夫か。

「美波!私飲み物買ってから行きたいから早めに行こ!」

「夕蘭が買うなら私も買おっかな~。」

そう言って私たちは教室を後にした。




「……でさ~__…っあ!!資料集忘れた!」

もうすぐ理科室に着くっていうのに…。

「夕蘭どんまい。まだ間に合うから行ってきたら?」

「うん…。」

私は急いで教室に走った。




タッタッタ………。ガラッ。


「ふぅー……ん…?」

私の教室の席は1番窓側だ。隣は美波で後ろは海斗。美波の席の1番後ろの列の席に誰かいる。
私はそーっと近づいてみる。

「わぁ…きれい…。」

ハニーブロンドの髪が長いまつ毛にかかり、少し邪魔そうにしている。シュッとしていて高い鼻に薄ピンクの唇。そして白い肌。
めっちゃ美しい。このクラスになって4日程しか経ってないからか、私は彼の存在に気づかなかった。




私とこの男の子には窓から零れた光が当たっていた_。

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