長い上に、普段より読みづらいかもしれません。
時間と気合がある時にお読みください。
すでに3月なのは、気のせいです。
剣持「せんせい、」
授業終わり、教卓に散らかしてしまったチョークの粉を片付けていると、視界の端に見覚えのある足が。
(あれ、制服で見覚えがあるって流石にキモいか?)
「ん、剣持くん。どうしたの?」
顔を上げれば、いつもとは違ってすごく真剣な顔をした剣持くんがノート片手に立っていた。
ペンまで握っちゃってなんか取材される女優になった気分。
.....やっぱ嘘、
雰囲気的に取り調べされんのかな。
剣持「ぃや、うん、その.....えっと、」
唸ったり、視線をキョロキョロさせたり、
挙動不審な剣持くんの顔は心なしか赤くなっていく。
「剣持くんから話しかけてくるなんて珍しいじゃん?」
インタビューしにきたみたいなカッコ。
授業をしっかり聞いている剣持くんが分からないとこがあったって、なんか私の授業わかりにくかったかな、
剣持「はぃ、、」
若干俯きがちで上手く気持ちが読み取れる気がしないが、緊張してるんだろうなって伝わってくる。
いや、なんで?
「...あ、私の(男の)好み聞きに来たとか!?んーとね、k...」
剣持「はっ、?//」
「.....え、」
剣持「あ、ゃ.....///」
え、何今の反応、、
剣持くんの顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。
まさか剣持くんが私の男のタイプなんて気になるわけないよね、!?
その紙とペンは私の理想の男になるための㊙ノートってわけなんですか!?
違うか、え、違うよ、ね.....??
「えっと、やっぱ筋肉マッチョ、とか.....?はは、」
ちょっとあまりに気まずくて、
剣持くんがタイプだよ!!とか冗談すら言いづらい。
足りない頭を必死にフル回転させた結果、
自分の兄を思い浮かべた。
剣持「は?」
「え?」
あれ、
割とガチトーンで剣持くんにキレられたんですが。
私の好きなタイプが知りたいはずの剣持くんが、
何故そんな顔をしているのか私には全くわからない。
おそるおそる剣持くんの顔を見れば、
何いってんだこいつって目で呆れられているのを感じた。
「え、ちょ、タンマ。」
剣持「先生、頭イカれたんですか。」
「それは言い過ぎだよ!?一応私教師ね!!」
やっぱり私の思い違いだったのか。
全然私の好きなタイプとか知りたいわけじゃなかったらしい。
だってそうじゃないとこんな態度を取るはずがない。
(まぁ剣持くんだから私の常識に当てはまるわけがないんですが)
「えっとまぁ、さっきのは一旦置いといて。」
剣持「ぅ、う〜ん、はい。」
とりあえず状況を最初に戻す。
「剣持くんから話しかけてくるなんて珍しいじゃん?(take2)」
肘をつきながら剣持くんを見つめる。
そんなに私の授業は分かりづらかったかな?(take2)
という思いを込めて。
剣持「えっとですね.....」
剣持くんはうっすらと頬を赤くした顔を少し逸らして、
またあげて。
すぅー、はぁーと大きく深呼吸して、
意を決して口を開く。
剣持「先生の好きなお菓子ってなんですか!!」
「.....」
剣持くんはやった言えた!
と達成感に満ちた目でこちらを見つめてくる。
お菓子?
オカシ、おかし.....
あの、別名おやつと呼ばれることもあるお菓子。
私の好きなお菓子。
Snack?
「え、?」
剣持「え?」
目が合った。
お互いに理解できていなさそう。
「おかしっ!?」
剣持「うわっ、うるさ...」
「はぁ、??」
剣持「なんでキレるんですか、w」
え、待ってよ。
さっきまでの自分の発言を思い返す。
「好み」とか「筋肉マッチョ」とか。
私めちゃくちゃ恥ずかしいやつじゃん!?
「なに、お菓子って!!!!ピュアかよ!!」
剣持くんのピュアさを舐めてかかっていた自分に嫌気が差す。
剣持「、大丈夫ですか?」
「恥ずか死にたい...」
剣持「あ、全然死んでもらっても...」
「こらっ、そこは止めなさいっ!!」
剣持くんに赤くなった顔を見られたくなくて地面に蹲る。
もちろんホコリが付くから地面には座らないけど、
脱力して倒れそう。
剣持「んで。なんですか、好きなお菓子。」
「そうだね.....わっ、」
剣持「んゎっ、/」
剣持くんのピュア精神に応えようと思い、
不意にパッと顔を上げれば、
思ったより剣持くんが近くに来ていたのか
顔がぶつかりそうなほど近くなる。
「ご、ごめん。犯罪だね私。」
剣持「いえ、こちらk...いや、そうですね。」
否定してくれない剣持くんがその顔の赤さを誤魔化しているだけならなんて、
きっと自分も顔が真っ赤だろうから、
これは突然のことが重なって体が驚いているだけなんだと言い聞かせる。
彼は仮にも生徒なのだから。
「あっと...私の好きなお菓子は、、ねるねるねるね...とか。かな。」
小さい頃たまに買ってもらっていたのを思い出す。
駄菓子よりちょっと高いから毎回は買ってくれないんだよね。
だからこそ特別感があって好きだったのかもしれない。
大人になった今ではもうお菓子とか暇がなくて食べないんだよ。
子供の頃の記憶に縋るしか。
剣持くんを見れば、
う〜んと唸っていたかと思ったら、こちらを向いた。
剣持「却下で。」
「はぁっ!?」
結構思い出深かったお菓子を一刀両断された。
え、好きなお菓子答えて却下って聞いたことないんですけど??
「何がどういう基準で却下なの...」
ねるねるねるねは皆好きだろ!!!!
剣持「えぇ...?//」
「いや何故そこで照れる。」
剣持くんが何を考えているのか分からない定期きた。
いつもは言い過ぎってくらい言葉にするのに、
たまに会話成立させる気ないくらい端折るんだよね。
ほんと、どうにかしてほしい。
剣持「いや、普通チョコとか、クッキーとかもっとこういう...なんていうんですか、ねぇ、違いますそれは。」
「人によるでしょ。私はねるねるねるねが好きなんだよ??」
剣持「えぇ.....??」
全く理解できないが、
剣持くんは心底困った様な表情をしている。
なぜねるねるねるねで困っているんだ。
意味が分からん。
「ねるねるねるねって答えられたらそんな困るの?」
剣持「え、めちゃくちゃ困ります。」
「どんぐらい?」
剣持「ん〜.....ちょっとチャラい男子生徒に、せんせーの彼氏立候補しちゃおっかな?とか言われたときくらい。」
わかりやすっ、!?
「え、なんかごめん。」
剣持「もっと言えば、女子生徒に彼氏の愚痴を言われた時。」
ソレ結局惚気を言いたいだけのやつな!!
「休み時間他の生徒に席取られてて、そこ自分の席ですって言えないとか。」
剣持「突然近所の小学生に、ライダーキックかまされるときのリアクションも。」
「差し入れでコーヒーとか渡されるけど、私コーヒー飲めないんですよねとか言えないやつ。」
剣持「コンビニで毎回おんなじもの買うから覚えられて、妙に馴れ馴れしく話しかけられたときの返事。」
「好きな人本当にいないのに、絶対いるとかいって引き下がらないでダル絡みしてくる人。」
剣持「別に許可したわけでもないのに勝手にノート写されてて、ごめんね?とか言われたら、良いよもやめてねも言えないときの表情。」
「朝早いから弁当とかこだわってる暇ないのに、中身チェックされて野菜足りないんじゃない?って言わr...」
キーンコーンカーンコーン
つい前のめりになってお互い話していた事に気付く。
「あっ、予鈴だ!じゃ、次の授業頑張ってね〜!!」
パッパとチョークの粉を捨てて教室を走って出る。
「ぃたっ、!?」
急いでいたせいか、
扉に思いっきりぶつかって小指を痛める。
恥ずかしっ。
剣持「ねるねるねるねかぁ〜.....」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!