雲一つない快晴。
温かい日差しに包まれて気分も温かい気持ちになる。
今日のために少し気合いを入れた服を選んだ。
_待ち合わせの30分前。
待ちきれない気持ちが先行して早くに集合場所に着いてしまった。
一応集合場所に彼が着いているか確認する。
_いた。
正直待ちきれなかったのは俺だけだったんじゃないかと考えていたのでまだ集合場所に着いていないんじゃないかと思っていた。
彼も今日を楽しみにしてくれてたと思うと自然と口角が上がってしまう。
まずい、こんな顔では合流できない。
ふぅーっと深呼吸して気を取り直して彼の方へ向かう。
いきなり名を呼ばれた彼は少しびっくりしていたが、相手が俺だとわかると柔らかな笑顔を向けて返事をしてくれた。
さっきわざわざ落ち着いた顔に戻した意味がなくなってしまった。
やっぱりかいくんには敵わない。
少し顔を赤らめながら一生懸命褒めてくれた。
....スゥーあれこれ俺たち別に付き合ってへんよな?
付き合ってるんじゃないかって錯覚しそうになったわ(真顔)
_そう俺たちは付き合っていない。
俺はかいくんのこと好きやー!大好きやー!って言ってるのだが、自分に自信が持てないかいくんはまだ本当かどうか受け止めきれないらしい。
いわゆる返事待ちというやつや。
今日もぶっちゃけるとデートに見せかけたただのお出かけなのだ。
でもええもん!俺はかいくんとのデートやって思ってるし.....
何でも都合良く捉えちゃえばおっけーだと思っている。
しかもこれで距離が更に縮んでいけたらいいなって思っているのが本音だ。
当たり前や....俺はかいくんの答えを聞くまでは絶対諦める気なんてないからな!
嬉しそうな笑顔、はい俺の天使。
きらきらと目を輝かせながら調べたことを一生懸命話してくれている。
ゆっくりとかいくんの歩くペースに合わせながらかいくんの話に相槌を打つ。
こっちにスマホが見えるように寄ってくれて優しいなぁ....かいくんは.....あぁやっぱめっちゃ好きや....
少し申し訳なさそうに言うかいくん。
かいくんが急に俯いてしまった。
どうしたんやろ?
急に走り出してしまうかいくん。
陸上部でもなんでもない文化部出身のはずのかいくんは何故だが異様に足が速い。
他のスポーツはあまり得意ではなさそうなのに足の速さになるとTOPクラスの実力をみせる。
あんな薄い身体から一体どれほどの威力が出ているのだろう。
お母さんに怒られた子どものようにしょぼんっとするかいくん。
かいくんはパンフレットに載っている写真をみせてくれる。
かいくんに手を引かれる。
あれ?俺が可愛いって言ったのはパンフレットをみせてくれるかいくんのことを言ったんやけどなー?
エーナンデー?
まぁかいくんがテンション上がってるところ見れるの嬉しいしまぁ、ええか()
俺たちはまず、クレープ屋さんを目指して歩き始めた。
メニュー表と睨めっこをして悩み中のかいくん。
それもそのはずこのお店、思っていた以上にトッピングの動物が多い。
....ハシビロコウとか誰が考えたんや....
動物系のトッピングに限らずソース系のものも多い。
そりゃSNSで話題になるだけあるなと思った。
心配そうにこちらを振り返るかいくん。
俺も一応甘党ではある、こういうので悩んでしまうのはよくあることなのだ。
俺も一人ならかいくんぐらい、いやもっと悩んでいたかもしれない。
でも今日はかいくんと二人。
ここはスマートに選んで買って、席取りをして待たせている感がないように優雅に待っているのがいい男というものだろう。
俺は先に列に並ぶ。
時刻的にあまり並んでいなかったのでよかった。
自分の番が来る。
といってもまだ全然迷っている最中なのでお店のショーケースを見ながら決めることにした。
それにしてもいっぱいあるなぁ....
しかも乗せ放題なんやろ?
あんだけ格好つけたけど普通に悩むなぁ...
うーん....
そういって俺は端の方に置いてあるトッピングに指を指した。
にこにことした笑顔で問われる。
なんだがこの猫がかいくんに似てるような気がして気になってしまった....
期間限定復活なんやし、せっかくだからこれにしようかな.....
会計しクレープを受け取り席を取る。
どうやらかいくんもついに決めたらしく、列に並んでいる。
かいくんはどんなのにするんやろ....
乗せ放題だと言うしクレープの上で小っちゃな動物園でも築き上げてくるのだろうか。
しばらくするとかいくんが俺を見つけて駆けてくる。
クレープの上には元気そうなオレンジ色の一匹のわんこが座っていた。
少しびっくりする。
おずおずと尋ねてくるかいくん。
その後は互いの服を見るために洋服屋に行ったり、かいくんがハマっている漫画の新刊が出たようなので本屋に行ったりと新しいショッピングモールを楽しんでいた。
また笑ってくれた。
_そうや、やっぱりかいくんはそういう顔してた方が可愛ええよ。
たまたまキーホルダーを売っている雑貨屋を見つけたのでそこに入る。
俺が手にとったのは、二匹のうさぎのぬいぐるみがくっついているキーホルダーだ。
ほっぺのあたりに磁石が入っているため二つにわけることができるものだ。
かいくんにひらひらと手を振って、会計しようとレジに向かう。
いきなり右腕を掴まれる。
真っ直ぐな瞳で見つめられる。
普段は可愛くて、ふわふわしているかいくん。
たまにするこういう格好よくて透き通った瞳に射抜かれる。
かいくんは自分に自信がなくて、ヒーローになって皆に恩返しをしたいといつも言っているけど、こんなに真っ直ぐで真剣な目をできるのはヒーローにしかできないと俺は思っている。
この目をされたら俺が敵うわけないのだ。
受け入れて会計を任せることにした。
少し早めにショッピングモールに入ったというのに出る頃には夕方になっていた。
俺はそういって少しでもかいくんといる時間を長引かせてた。
かいくんといれる時間がもっともっと長引いちゃえばええのに.....
そう思いながら俺はかいくんの手を引き足を進めた。
アンケート
🔥『お帰り、貴方!何にする?』
『カレーにする?』
7%
『オムライスにする?』
10%
『それとも お れ ?』
82%
投票数: 67票















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!