今、僕たちは一旦落ち着いて、屋上にきています
昔の話になっちゃうんだけど…
いふくんは、覚えてるかなぁ、4、5歳の時だったかなぁ
周りの子たちに、『なんでほとけちゃんは、女の子なのに”僕”って言ってるの?』て聞かれてさ、
普段から、男の子と遊んでたせいか、うつっちゃってたんだよね笑
でも、それが納得いかなかったみたいで、『気持ち悪い!』って言われちゃった笑
あと、まぁ、髪色が普通みんな黒色なのに、僕は水色だからさ。しかも毛先は紫色でグラデーション笑
こんな、変な頭のやつ…そりゃあ気持ち悪いって思うよね笑
でも、でもね…僕、別に、何も悪いことなんかしてないんだよ?何もしてないのにさ、なんで…みんなから無視されて、絵本破られて、足引っ掛けて転ばされて…なんで、僕はこんな目にあわなきゃいけないんだろうって、ずっと思ってたんだ。
でも、それってさ、僕が"おかしい"人間で、"普通"じゃないからなんだよね?
分かってた…なのにさ、っ…そんな僕に、声をかけてきた男の子がいたんだよっ
それでも、僕はなかなか立ち直れなくて、いふくんはああ言ってくれてたけど、やっぱ変とかおかしいって思われてるのかなって考えちゃって、不安になって、僕は、みんなにとって迷惑なのかなって思って。あの後さ、いふくんもいじめられる対象になっちゃって、揶揄われたり、してたじゃん。僕がいなかったら、いふくんは、いじめられないで済むかなって。僕が君と一緒にいなければって…
だからっ、だから、距離置こうと思って、嫌われようとしてたのにさぁっ!
なんでよ…なんでまだ、僕の近くにいるの?
なんで僕を助けようとするの?
こんな…こんな僕をっ
もう、本当は気づいてた。
とっくに前から分かってたのかもしれない。
でも、知るのが怖かった。受け入れたくなかった。
どうしても、自分じゃ、ダメな気がしてた。
あ、言っちゃった。
でも、分かんないじゃん。
ただの幼なじみだったのにさ。
あれだけ喧嘩してたじゃん。なんで、それでも好きになれるの?
確かに。僕もなんで君を好きになったのか、分からない。
いつの間にか、好きだった
僕は一体何に怯えていたんだろう?
いま、両思いになれたんだ。いや、本当はもっと前からそうだった。
それを、自分でも薄々感じ取ってた。
それでも、自分の幸せは君の幸せだと思って、僕と一緒にいないことが幸せだと思って、避けてきた。
好きなのに、嫌われたくないのに、嫌われようとしてた。
あー、ほんとに僕何やってんだろ?自分でもよく分かんない。
分からなくて、涙が溢れる。どうしよ、
分かってる。自惚れてると言われるかもしれないが、きっと、好き。そういってくれる気がした。
この2文字が、どれだけ僕を苦しめたか。
過去の僕は、好きに、苦しめられてきた。
好きなのに、嫌われたくないから、好きと言えない。
でも、それは過去だから。
これからは、好きで、幸せになってみたい
ずっと、泣いてばっかだなぁ、僕。
いふくんが、優しく抱きしめてくれた。
すごい。あれだけ苦しんで、辛い思いをしていたのに、君の一言でこんなにも世界は変わるんだ。
僕は、物語のヒロインになんてなれないと思ってた。
でも、今だけは、いふくんがいる時だけは、
ヒロインになっていても、いいですか?
『本物のヒロインは…』 end












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。