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第6話

僕の、考えていたこと
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2025/08/28 09:00 更新
今、僕たちは一旦落ち着いて、屋上にきています
すーっはぁーっ
大丈夫か?
いむちゃん…本当のこと、言うんやで
大丈夫、辛かったら辞めても大丈夫だからね。少しだけなら、りうらも説明できるし…
うん。ふたりとも、ありがとう
で、えーっと…何から話せばいいんだろう?
んー、ほとけが、なんで俺に嫌われようとしてたか…
なんで、いふくんに嫌われようとしてたかね…
いふくんはさ、覚えてる?中学生の時、いつかは許嫁にさせようってウチの両親と、いふくんの両親で話してたの
おん。覚えとるよ…
その時ね、僕、まだ君のことが好きだったんだ
まだ?じゃあ、今は…
ちょ、初兎ちゃん!
ふふっ、それは…まだ、秘密ね
教えてくれないんか
んー、あとでね。
えっと、それで、いふくんってさ、小学校でも、中学校でも、もちろん高校でも、たくさんの子達にモテてたでしょ?僕の友達もみんな、好きになっても、振られちゃっててね
あー、確かにね。小学校の頃も、まろ、OK出したことなかったしね
あーまぁな…好きな奴おったし
へぇ〜?
なんやねん
べっつに〜?
ないちゃんとまろちゃんは、小学校同じだったんか
そだよー!なんならほとけっちも
あー、そかそか、幼馴染やもんな
そーなの。あれ?なんの話してたっけ?
俺がいろんなやつ振ってたって話
あ、そうそう。だから、なんか自信無くなっちゃって、幼馴染ってだけで隣にいていいのかな、とか、特になんの努力もしてない僕が、幼馴染っていうだけで、優越感に浸ってて、そんな自分に嫌気が差しちゃって
あー、まぁ、あるよな
でも、全然諦められなくて、…だんだん、こんな僕がいなければ、いふくんはもっと幸せだったんじゃないかなって思うようになって…僕がいるせいで、許嫁にされるくらいなら、僕のことを嫌って、彼女でも作ったら、流石に親も、許してくれるんじゃないかって思って…
あー、そういうこと
そこまでは聞いてなかたんだ?
うん。なんか、許嫁にされないために嫌ってもらうとは聞いたけど、深い理由までは知らなかった
これが、僕がいふくんに嫌われようとしてた理由
あと、聞きたいことある?
ほとけが、そんなに自分を卑下する理由
…え?
お前は、努力なんて、人一倍してたやん。小学校んときも、勉強わからんから教えてくれって俺に頼って、成績上がっとったし
そんなん、いふくんが教えてくれたからだよ…
中学の時でも、めっちゃ勉強してたし、人が嫌がることも進んで引き受けとったやん
それは、手を挙げる人がいなかったからだし
昔っから、今まで、ずっと可愛くなる努力、してたやん…
え?、そんな、僕は何もしてな
朝は必ず6時に起き、夜は9時半には寝る
スキンケアから運動まで欠かさず毎日やってるし、遊び行く時はメイクしとるやん。
俺は、そんなん全部続けられんから、すごいと思う
そんなの…世の中の女の子、みんなやってるよ
おん。でも、ほとけもやってるよな?
え、まぁ
じゃあ、何が違うん?世の中の女子と、お前。何も違わんくない?同じことしとるんよ?
みんながそれをやって努力してるって言ったんは、ほとけやで?
でもっ
なんで、そんなに自分のこと、下げるん?気持ち悪いやつとか、そんなこと言うん?
だって…僕には、生きてる価値なんかっ
ないわけないやろ!ここに、お前に生きてほしいって思っとるやつは、最低でも5人はおるんやで?それから、俺の両親、ほとけの両親合わせて9人!9人も、お前に生きてほしいと思っとる奴が、おるよ!
っ、なんで…なんで、っ
ほとけ…なんか、抱えてること、まだあるんやない?
っいふくん、実は、ね…
昔の話になっちゃうんだけど…
いふくんは、覚えてるかなぁ、4、5歳の時だったかなぁ
周りの子たちに、『なんでほとけちゃんは、女の子なのに”僕”って言ってるの?』て聞かれてさ、


普段から、男の子と遊んでたせいか、うつっちゃってたんだよね笑


でも、それが納得いかなかったみたいで、『気持ち悪い!』って言われちゃった笑


あと、まぁ、髪色が普通みんな黒色なのに、僕は水色だからさ。しかも毛先は紫色でグラデーション笑
こんな、変な頭のやつ…そりゃあ気持ち悪いって思うよね笑
でも、でもね…僕、別に、何も悪いことなんかしてないんだよ?何もしてないのにさ、なんで…みんなから無視されて、絵本破られて、足引っ掛けて転ばされて…なんで、僕はこんな目にあわなきゃいけないんだろうって、ずっと思ってたんだ。
でも、それってさ、僕が"おかしい"人間で、"普通"じゃないからなんだよね?
分かってた…なのにさ、っ…そんな僕に、声をかけてきた男の子がいたんだよっ
っ!
いふくんはさ、あの時からずっと優しかったよね。『お前は何も変やない』ってさ。僕をいじめてきた子達全員に、怒ってくれてさ、嬉しかったんだ。こんな僕に味方になってくれる人がいるんだって…
それでも、僕はなかなか立ち直れなくて、いふくんはああ言ってくれてたけど、やっぱ変とかおかしいって思われてるのかなって考えちゃって、不安になって、僕は、みんなにとって迷惑なのかなって思って。あの後さ、いふくんもいじめられる対象になっちゃって、揶揄われたり、してたじゃん。僕がいなかったら、いふくんは、いじめられないで済むかなって。僕が君と一緒にいなければって…
だからっ、だから、距離置こうと思って、嫌われようとしてたのにさぁっ!

なんでよ…なんでまだ、僕の近くにいるの?

なんで僕を助けようとするの?

こんな…こんな僕をっ
…そんなん、好きだからに決まっとるやろ
っ、へ?
俺が、お前のことが好きだから、助けたいって思う、そばにいたいって思う
こ、こんなののどこがっ
自分のこと、こんなのとかいうなよ
お前は気持ち悪くないし、変でも、おかしくもない!
ほとけは、ほとけやから、そのままでいてくれよ
っ、
もう、本当は気づいてた。

とっくに前から分かってたのかもしれない。

でも、知るのが怖かった。受け入れたくなかった。

どうしても、自分じゃ、ダメな気がしてた。

…なんで、いふくんは、そんなに僕が好きなの?
あ、言っちゃった。

でも、分かんないじゃん。

ただの幼なじみだったのにさ。

あれだけ喧嘩してたじゃん。なんで、それでも好きになれるの?
そんなん、俺も分からんし、聞きたいわ
そもそも、好きに、理由とかねぇし、気づいたら好きやった。それだけ
確かに。僕もなんで君を好きになったのか、分からない。

いつの間にか、好きだった
…そっかぁ、
僕は一体何に怯えていたんだろう?

いま、両思いになれたんだ。いや、本当はもっと前からそうだった。

それを、自分でも薄々感じ取ってた。

それでも、自分の幸せは君の幸せだと思って、僕と一緒にいないことが幸せだと思って、避けてきた。

好きなのに、嫌われたくないのに、嫌われようとしてた。

あー、ほんとに僕何やってんだろ?自分でもよく分かんない。

分からなくて、涙が溢れる。どうしよ、
いふ、くん…僕さ、まだ、いふくんのこと、好きなんだよね
っ!
いふくんは、僕のこと、すき?
分かってる。自惚れてると言われるかもしれないが、きっと、好き。そういってくれる気がした。

この2文字が、どれだけ僕を苦しめたか。

過去の僕は、好きに、苦しめられてきた。

好きなのに、嫌われたくないから、好きと言えない。

でも、それは過去だから。

これからは、好きで、幸せになってみたい
もちろん。好きやで。
ほとけ、俺と、付き合ってください
っ、はいっ!
ずっと、泣いてばっかだなぁ、僕。

いふくんが、優しく抱きしめてくれた。

すごい。あれだけ苦しんで、辛い思いをしていたのに、君の一言でこんなにも世界は変わるんだ。


僕は、物語のヒロインになんてなれないと思ってた。

でも、今だけは、いふくんヒーローがいる時だけは、

ヒロインになっていても、いいですか?
  





                               『本物のヒロインは…』    end

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