走って、走って、走って。
肺が張り裂けそうなくらい冷たい風を感じながら、必死にラムリさんを探す。
何度もラムリさんと名前を呼びながら、探し続けて、ようやくの思いで見つけたラムリさんの目に、光は灯されていなかった。
ラムリside
顔を覗いてボクの目を見つめる人。
あの日、ルカス様に聞いた。
この人は、主様ではないと。
最初は勿論困惑した。だって見た目も声も全部主様なんだもん。
話し方はちょっと大人びてたけど…でもボクはそんなことは信じられなかった。
ルカス様との、秘密の話。
いくらルカス様のいうことでも、ボクは本当に信じられない。
こんなの初めてだ
そんな…本当に主様じゃ…?
嘘。こんなの表面上の言葉だけで、本当に思ってるはずがない
それでも忠誠心を誓っているから、それを言葉に出すなんて有り得ない。
───ルカス様、ボクは″主様"が信じられないんです。
だから、本当は駄目だけど、自分の感情に身を任せて、逃げた。
あなたの下の名前様っていう、主様から。
ボクは、主様が嫌いだ。
大大大大大大っ嫌いだ!
そんな主様が、ボクを見つけたんだ。
今さっき、此処なら見つからないだろって隠れたのも、全部無駄だった!
嗚呼もう、本っ当に大大大大大大っ嫌いだ…













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!