緑谷出久side
2人の祖父……。オールフォーワンの腹心……。
……聞きたいことは、いろいろある。
それこそ、「遊戯」のこととか。
ドクターside
かつて、何もかも失った儂に手を差し伸べてくれた彼のために、儂は動いていた。
「ワンフォーオール」の強奪を過去二回失敗し、オールマイトという敵が現れ、彼は器を求めた。
「ワンフォーオール」を上回る意思力。
それと同時に、個性の貯蔵をすることのできるものも。
「オールフォーワン」は個性の破棄ができない。彼の個性の許容量が分からぬ以上、使わないものを移しておくものが必要じゃった。
「オールフォーワン」の後継。
彼の器としても、個性の貯蔵庫としても使える存在。
彼の個性因子を宿した人造人間。
けれど適合させるにはどうにも難しく、全員死ぬか生きたとしても知能が低かった。
考えた結果、彼の個性因子と別の個性因子を掛け合わせることにした。
やり方としては個性婚と同じ。こちらで因子の割合を変えられることを考えれば、こちらの方が圧倒的に効率もよい。
そうして産まれたのは、男の子じゃった。
彼によく似た白髪の少年。
彼に類似する個性。しかし問題じゃったのは、少年があまりにも物事に無関心だったということじゃった。
何よりも、彼を拒絶する。
何を与えても心を開くこともなく、何かを伝えてくることもない。
人形のような子。
それから数年後、彼の器となる予定の子も産まれたが、念のためと彼の個性を受け継ぐ子を造るのもやめはしなかった。
彼の器──死柄木弔の個性が覚醒してしばらく。
彼の個性を受け継ぐもう一人の子どもが産まれた。
その子は少女で、彼にもよく懐いていた。
人懐っこく、少年も少年には心を開いていた。
無邪気な声と落ち着いた声。
少年は少女を奪われまいと膝に抱えて捕まえておった。
少女が産まれてから2年。儂は少年と少女と呼んでいるし、彼も2人に名を与えた様子はなかった。
少女は本に出てきたキャラクターから。少年は自分の個性から取ったらしい。
個性が「遊戯」だから玹と少女──あなたは言うが、どうやってもそうはならない。
玹は訂正するつもりもないらしい。
さすがに擁護はできぬよ。訂正しないのならそれでいいがの。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!