腕を組んで前を歩く護衛たちを見る
バジルが即答する
通行人が二度見、三度見
八百屋のおじさんが大根を落とす
その瞬間
ドン!ガシッ!ベチャ!
コロッケはジローの胸に吸い込まれ、犬はゴンザレスにじゃれつき、自転車はバジルが体を張って止めた
目的地は、母に教えてもらった例の店なのだが……
《なんでも売ります ※売らないものもあります》
ガララッと引き戸を開けた瞬間___
中から飛び出した店主が、勢い余って転んだ
店に入った瞬間、天井から何かが落ちた
ポン 、
店主がピースしながら元気よく即答する
店内は想像していた以上にカオスだった
・明らかに重そうなのに「軽量」
・光ってるのに「地味」
・怖そうなのに「安心設計」
店内を見渡していると、バジルが一本を手に取り見せてきた
アヤメも負けじと持ち出してきた
ジローがメモを取り始めた
そのとき、床がギギッと鳴った。ゴンザレスが叫ぶ
バキィ!!
次の瞬間、バジルが踏み抜いた
幸い、下は畳一枚分の空間だった
店主が頭をかく
混乱の中、澪は冷静に棚を見た
全員が静まった
護衛たちが一斉に首をかしげる
その言葉に、店主がハッとした
差し出されたのは、
本当にただの、地味な和傘
護衛全員、感動
必要なものを買って、会計を終え、店を出た
その瞬間、商店街のスピーカーが鳴る
《 本日、迷惑行為が多発したため―― 》
澪が即ツッコむ
護衛たちは目をそらした
澪は和傘を肩に担ぎ、ため息
バジルが言う
商店街に、今日も澪のツッコミだけが やたらよく響いていた












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。