この日の夜、ガンマスは山のふもとで待ち合わせをしていた。
その相手はぐさお。蚊に刺されと夜中の涼しさを警戒して履いた薄くて長めのロングスカートが目立つ。
木でできた通路を歩くと、所々ギシ…ギシ…と軋む音がする。静かな夜だからより聞こえる。
来週に控えた夏祭り。めめ村メンバー全員で行くこのイベントだが、夏祭りで告白という定番ムーブは大抵の人が思いつくだろう。
そしてガンマスは警戒していた。このタイミングで同じくぐさおに矢印を向けているメテヲが告白するのではないかと。
ならば先に先手を打つ。そういった考えの元決行することにした。
歩くこと数分、ガンマスは急に立ち止まった。
ぐさおは急な停止に困惑するも、それに対する彼はニヤリとしていた。
水面を上を飛び回る無数の蛍。その1匹1匹が後方から光を発する。光は水面から反射され、さらに輝いていた。
砕けた。その一瞬だけで全てが。先程まで高ぶっていた心の中はいつの間にか冷えきっていたように感じる。
気がついた時には自身の家の前にいた。どうやらあの後意気消沈したままで帰っていたようだ。
とぼとぼと家の扉を開け中に入る。
家に入ると明日に向けての仕込みをしている父の姿が目に入る。
もちろんいつもの光景なので軽く返事をしてそのまま部屋に向かおうとした。
突然呼び止められる。席に座れと指示するように指さしていたので仕方なく座る。
カウンターに置かれたのは1杯の醤油ラーメンだった。
丼から他立ち込める湯気、そこをつたっていくスープの香りが鼻と胃に刺激してきてはさすがに我慢できなかった。箸を割り麺を掴むとそのままズルルと口へすする。
ガンマスはそのまま無我夢中にすする。具材も、麺も、そしてスープも全てお構いなしに。
空になった丼が冷めてくるほどに静まった店内で男2人の笑いが響いた。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!