宮舘side
大好きだとか大嫌いだとか自分からは言えない
しょうがないのはわかってる
だって俺はソイツのこと好きって認めたくないし、ソイツだって俺の事好きって認めたくないから
なんか、今夜は帰って欲しくなかった
嬉しい癖に
俺の作ったご飯をモグモグと食べ、お得意の
が出た
…
洗い物を翔太に任せて風呂に入る
ねえ、翔太、もし、この後勇気が出たら
…
俺が風呂から出ると、
ちょうど洗い物を終わらせたのか翔太が水を止めていた
ふと目が合う、午後11時58分
自分の髪を乾かして翔太を待つ
少し、想像してしまった
俺の家の風呂を入る裸の翔太のことを...
翔太が風呂から出て
ガシガシと髪の毛を拭いてリビングにやってきた
ブォーっとなるドライヤーの中で
認めたくないけど、認めてしまう
それくらい愛おしい
ドライヤーの電源を切り
翔太の横にまわる
耳が弱い翔太に最大限のイケボで
いつもなら、日をまたぐ前に帰っていく翔太が俺の家に今、いる
寝る支度をしようとソファーから立ち上がると
きゅっと裾を掴まれる
ちゅっ!
予想外のことに脳が追いついてない
その後、何があったかはここでは言わないでおく
それでも、1時48分に帰りの支度をし始めて
翔太は1時58分に俺の家から出ていった
そんな人に、俺は告白できない…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!