4月9日 始業式
藍崎鈴音
「せーのっ」
先生の声に合わせて、クラスのみんなで桃色の紙を裏返す。3年5組、出席番号は2番。私は早々に自分と仲のいい友達の名前を見つけると名簿から目を背けた。クラスメイトになんて興味がなかった。
窓の外は、憎たらしいくらいに綺麗に晴れていた。
それでも私は、息苦しくてたまらない。小さい頃は夢もあって、将来はきらきらした女の子になると思っていた。でも今、私の目に映る世界は仄暗い灰色で、彩りがない。
いつからこんなになったんだろう。
毎日息苦しい日々を、死ぬことを夢見て生きている。
ぼーっと窓の外を眺めていると、後ろから飛びつかれた。
後ろを振り返ると、去年から仲のいい二人がいた。
今年も同じクラスなので、ぼっちは回避できそうだ。
友達は好きだし。親も多分普通。成績も悪くない。
でもなんでこんなに不幸なんだろう。
いや、私が駄目だからこんなに不幸に感じるんだ。
勉強に親、嫌いなものは沢山あるけど何より自分が嫌い。
あぁ、死にたいな。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。