ハァハァハァハァ
バサ…
羅生門河岸
遊郭の最下層で生まれた俺たち
子供なんて生きているだけで飯代がかかるので迷惑千万
産まれてくる前に何度も殺されそうになり
生まれてきてからも邪魔で仕方なく何度も殺されそうになり
それでも俺は生き延びた
彼枝のような弱い体だったが必死に生きてきた
虫けらボンクラ
のろまの腑抜け
役立たず
醜い声や容貌を嘲られ汚いと言って石を投げられた
この世にある罵詈雑言は全て俺のためにあるようなものだった
俺は醜かったし汚かった
いつも垢まみれフケまみれ
蚤がついた酷い臭いで
美貌が全ての価値基準である遊郭では殊更忌み嫌われた
怪物のように
腹が減ったら鼠や虫を食っていた
遊び道具は客が忘れて帰った鎌だった
俺の中で何かが変わり始めたのは梅が生まれてからだ
梅
お前は俺の自慢だったなあ
年端もいかない頃から大人がたじろぐほど綺麗な顔をしていた
俺は自分が喧嘩に強いと気づいて
取り立ての仕事を始めた
誰もが俺を気味悪がって恐れた
気分が良かった
自分の醜さが誇らしくなり
お前のように美しい妹がいることは俺の劣等感を吹き飛ばしてくれた
これから俺たちの人生は良い方へ加速して回っていくような気がした
十三になるまでは
客の 侍の目玉を簪で突いて失明させたので
その報復として梅は縛り上げられ生きたまま焼かれた
俺はいなかった
仕事から戻ったら
お前は丸焦げになっていた
ざんっ
ギュー
そこで俺の意識は途切れた
ギュー(*>ω<)ω<*)ー♡























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。