結局、二手に分かれて行動する事になったようだ。
副総長と言えど、総長に逆らう事は出来ず、俺は名古屋に出向くことになった。
仙台の方は哲人達がどうにかするようだ。
今回、名古屋にいくのは誠司、ゆーじ、俺、勇人だけらしい。
兵隊が全部仙台組に持って行かれてしまった。
それじゃ舐めてるって思われても仕方ないけどなぁ、、、。まぁ、いいか。
今回交渉をするのは俺。
誠司とゆーじは話が流されるのを防ぐ役割を果たす。
向こうの仲介役が涌井である以上、俺は柳という男に圧をかけるしかない。
新幹線で移動する間、資料は熟読しておいて損はない。
そう言って自分のファイルを取り出し、読み始めた。
勇人はパソコンと睨めっこしている。
資料を読みながら、自身ありげに答えると、勇人が疑問の声を飛ばした。
もちろん、切り札はそれだけじゃないが、殴り込みに行くでもない以上、こちらに敵意はないのだから、話を受けないって手は取らないと思うな、、、。
あの考え方じゃなければ良いけど。
名古屋駅で降りた俺たちは、周りを警戒しつつ駅の出口へ向かう。
駅の出口で俺たちを迎えたのは「小笠原慎之介」という男。物腰が柔らかそうに見えて、完璧な敬語でないところを見るに、暴走族って感じだよな。
窓の外を眺めながらなっている俺は、終始静かにしていることに決めていた。
こういう時は大体、交渉役は静かにしているものだ。
誠司は相変わらずファイルを開いていたが、ふと窓の外に視線を投げた。
何も気配は感じなかったが、誠司の勘はよく当たる。気を配っておくに越したことはない。
案内役の男はある程度名古屋の情報を吐いてくれた。これで土地の情報はかなり埋まっただろう。
会合場所はかなり豪華。
ホテルマンも立っているところを見るに、やはり金にガメツイ奴らだな。
荷物をホテルマン達に預けて、小笠原についていく。
豪華絢爛というのが相応しいホテルの装飾を見ながら、目視でだが盗聴器等も確認していく。
装飾に紛れてあってもおかしくないから。
高層階まで上がり、一際豪勢で大きな扉の前に立ち、小笠原は振り向いた。
いざ、名古屋の中心である暴走族、、、。愛美愛主の頭とご対面だ。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!