🍵Side
やってしまった…。
思わずため息をつく。
俺はダンス練から、どうしてもみこちゃんを避けてしまっている。
もう一度、好きになってしまいそうで怖かったから。
もう、傷つけたくなかったから。
思わず自嘲した笑みが溢れる。
何が傷つけたくない…だよ。
いくら天然な彼でも、流石にそろそろ違和感を持っている。
その時点で、みこちゃんはきっと傷つく…。
みこちゃんのためなんかじゃない……
避けているのは、俺が傷つきたくないからだ…。
俺は、守っているつもりで逃げてるだけなんだ。
______________ふと、前世の記憶が蘇る。
月明かりに照らされた海辺でのことだった。
声は小刻みに震えていたし、胸は引き裂かれるように痛かった。
酷く驚いた表情を浮かべた君。
…そんな顔、見たくなかったなぁ。
__________前世俺達が生きていた時代は、戦時中だった。
はっと瞳を潤ませる君。
ピンポーン
インターホンの音が、俺を現実に呼び戻した。
重い足取りで玄関へ向かう。
…そっと、覗き穴に瞳を近づけた。
そっか…うん。
君はそういう人だったね、笑
そういうとこが…ズルいんだって。
大きく息を吸う。
五月蝿い心臓を押さえつけた。
大丈夫、大丈夫…。
ちゃんと謝ろう。
前世は一旦忘れて…。
ガチャッ(ドア開)
戸惑う君は、やっぱり可愛くて…。
抱き締めた君は小柄で、か弱くて、愛らしくて…。
______________好きにならないなんて、無理だった。
君の肩を掴み、真っすぐ君の顔を見つめる。
はっとしたように顔を輝かせる君。
…そして
胸が自然と高鳴っていくのを感じる。
前世から変わらないこの笑顔が、心から愛おしくて。
気づけばそう、溢れ出ていた言葉。
はっとした時にはもう遅かった。
今…なんて…、
そうだ…笑君はそういう人だったね。
とんでもなく鈍感で、天然で…。
気づけばこっちが振り回されていて…。
もう、この胸の高鳴りを抑える術なんて持ってない。
前世
🍍⇔📢
🦈⇔🌸
👑⇔🍵
記憶
🍍:全く覚えていない
🦈:全く覚えていない
📢:部分的に覚えている
🌸:はっきりと覚えている
🍵:はっきりと覚えている
👑:全く覚えていない
現代
🍍→🦈
🦈→?
📢→🍍
🌸→?
_______🍵→👑_______new
👑→?












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。