hsrb side
小さな公園で 、 楽しそうにブランコを漕いだり
追いかけっこをしたりする幼い男の子と女の子 。
男の子はどこか俺に似た雰囲気で 、 名前も
一緒だった 。
そして女の子は 、 どこか聞いたことのあるような声 。
少し涼しげで 、 可愛らしく可憐な声の少女 。
そのような声には少し聞き覚えがある 。
一般人ながら俺も含むヒーロー達に愛されている
綺麗な彼女 。彼女の声と少女の声は似ている。
だが同一人物とは考えにくい 。なぜなら 、 彼女の
髪色は茶色で 、 大人しく優しい 。だが少女の髪色は
綺麗な金髪で 、 活発で元気なことが見て感じとれる 。
それに 、 俺は茶髪の少女なんて全くもって覚えて
いない 。勿論 、 俺が記憶喪失だから覚えて
いないだけなのかもしれないけど 。
それでも 、 少女と彼女が同一人物であるのならば 、
どうしてあそこまで見た目が違うのだろうか 。
髪質や 、 髪の色 、 染めたのかもしれないが 、
彼女の髪は染めたとは思えないほどに綺麗で 、
染めていたのならば少しは髪が傷んでいるはず 。
なのに全くもって傷んでいないため 、 少なくとも
染めた 、という可能性は低いだろう。
そんなことを考えていたら 、 少女がこちらへ
やってきた 。
質問の意図がいまいちわからず 、 困惑した表情を
見せると 、 少女は 、 にぱっと笑うと一言 、
と言った 。
それと同時に 、 「 起きろ 」 「 いつまで寝てるんだ 」
「 早く起きてください 」 などのさまざまな声が
聞こえてきた 。閉じていたまぶたをゆっくりと開け 、
視界が明るくなると同時に 、 同期達が 、
そして俺は 、 夢の内容を細かく話した 。
もしかすると分かるかもしれないから 。
同期達は誰か知っているかもしれないから 。
だが皆困惑の表情を浮かべた 。ただ彼女だけは 、
驚いたような 、 少し青ざめた表情でぽつりと
何かを呟いた 。
その言葉は 、 俺の耳には届かなかった 。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。