甘露寺side
あなたさんからの鴉は確かに私と御館様に伝えた。
でも"伝えた"だけで、強制はしなかった。
なーんて屁理屈だけど、それでもどうしても
来たかった。
私だってもう柱なのに。蜜璃ちゃんから蜜璃に呼び方
が変わってやっと認めて貰えたんだって。そう、
思ったのに。
結果が伴わないなら、期待なんてさせないでよ。
どうせあなたさんは、嘘みたいに強い自己犠牲の
精神で、1人で行くから来るなだなんて言うのよね。
そろそろ卒業してくださいよ。
犠牲になんて進んでなるものじゃないわ。
あなたの価値はあなたが思うより高いのよ。
ねぇ、早く言ってよ。
鬼殺隊である限り、決して出来ない約束を。
行先がたとえ地獄であれ、
私はあなたについて行きたいの。
そこはきっと私にとって天獄だから。
呆れたように、諦めたように、私達に誓った貴方は、
今までよりもっとずっと、輝いてみえるの。
貴方が誓ってくれた約束を、叶えるためなら。
私は…いや、私たちは、何倍も強くなれる。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。