俺が気になったのは、俺たちが到着したときに見せた “表情” だ。
市川レノって奴とは違う “表情” をしていた。
市川レノは「来てくれたっ!」って希望を持った “表情” で
日比野カフカは「俺は無力だッ……」って嘆いてる “表情” 。そして、懐かしい人を見つけたみたいな “表情” もしてた。
……絶対に “嘘” だな。
亜白さんは日比野カフカを見つけたとき、びっくりしてた。
なんでかは分かんないけど “意外” って顔をしてた。
俺の服は怪獣の血やら体液やらでスーツが汚れまみれ。
このままここに居たら昔みたいに兄さんたちに怒られる。
兄さんたち…怒ると怖いんよなぁ……
今日はもう、風呂に入って寝よう。そう思った。
3日後、共同スペースから流れ出ているテレビの音で目が覚めた。
時間は5時。いつもより少し遅い。しかも、丸一日眠っていたようだ。
テレビに映っていたのはニュース。
俺たちが昨日行った横浜で小型怪獣が現れ、不審な怪獣の死体があったそうだ。
死体は核を殴りそこから肉が破裂したような死体だった。
おかしい。こんな倒し方はできない。こんな兵器は防衛隊では誰も使っていない。
ならば誰が?
人ではなく怪獣が?
いや、それこそおかしい。怪獣が怪獣を殺すなんてこと、起こるはずがない。
しかも、一発で核を破壊できるなんて……
“怪獣の造りをよく知っている者”
しかありえない。
取り敢えず言えることは…
流石兄さん。
勘もいいし、頭回るし、行動早いし、強いし。
兄さんと結婚する人は幸せだろうなぁ…
そう、俺はあのとき誓った。
“生まれ持ったこの命を、怪獣殲滅のために使うと” ――
“もう誰も、俺の眼の前では死なせない”
と











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!