「さーてと!」
ミアセラはそう言いながら、【怪物】を見下した。明るい口調とは裏腹に、目には鋭い光を宿していた。口元をにやりと歪ませながら。
もはや殆どの魔物は、眼光から放たれる魔力圧だけで、死に絶えそうだ。【怪物】を殺せることに笑みを浮かべている姿は、何ともおぞましい。それ程までに、ミアセラは【怪物】に恨みを持っていた。
「……はぁ。」
ミアセラは冷静さを取り戻す為に、一度ため息をついた。そして、一度地面に降り立った。
なんせ、飛行魔法は元々魔族だけが使えた魔法。魔族のように魔力が豊富ではない人族が長時間使えるものではない。ましてや、地面で生活していた種族であるから尚更だ。
「【怪物】……久し振りだなぁ、戦うのは。」
昔のことを思い出すように目を閉じながら、懐かしむような口調で、怪物と相対する。そんな口調とは相反して、悍ましい程の恨みが魔力圧から伝わってきた。そんな、ミアセラの言葉に反応するように、【怪物】が雄叫びを上げた。
「グゥオオオァアア!!!」
端から見れば、【怪物】の足元に、ちっぽけで、たった一人の少女が居るだけ。【怪物】は、何をそんなに恐れる必要があるのだろうか。その疑問の答えは、魔物や魔獣、魔族が持つ魔力視のせいだろう。
「こんなに抑えてるのに警戒するのは……魔物だからなのかな?」
魔族よりも知能が低い魔物だからこそ、本能的な危険を察知したのだろう。【怪物】は、魔力視だけに頼っているわけではないようだ。
_____視えた魔力だけでは、判断していない。
「グゥオオオァアア!!!!!」
先程よりも更に響く雄叫び。空気が震え、森から魔鳥が飛んでゆく。そんな中で、ただ一人。ミアセラだけが冷めきった目に【怪物】を映していた。
「……」
少しの沈黙の後にミアセラは【怪物】に向かって、表情一つ崩さず、たった一言呟いた。
「さぁ、戦いを始めようか。【怪物】さん?」
普段の性格からは考えられないような口調と、冷酷な瞳に声色。その瞬間に、ミアセラと【怪物】という一人と一体の戦いの火蓋が切られた。
先週は投稿せずに大変すみませんでした!!!!!
予約投稿を忘れる不手際……本当に申し訳ありません
こんなミスがないように努力してまいります
では!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!