桜並木の下を、兄妹揃って歩く。
あなたの下の名前(二人でこうやって隣で歩くのって、いつぶりだろう……)
及川徹「あ、そういえばさ。同じ1年に、飛雄ってヤツいない??」
あなたの下の名前「初日で分かるわけないでしょ。」
及川徹「それもそうかぁ……いや、いるはずなんだよなぁ……」
あなたの下の名前「その子がどうかしたの??」
及川徹「いや〜……」
途端、及川徹は足を止め、あなたの下の名前をじっと見つめた。
あなたの下の名前「な、なに?」
及川徹「飛雄に話しかけられてもぜっっっったい喋るなよ????」
あなたの下の名前「えっ……な、なんで?」
及川徹「俺の可愛い妹であるあなたの下の名前がとられたら困る。」
あなたの下の名前「……はぁ?」
及川徹「はぁ?じゃないでしょ!これ大問題なんだからね!他に男できるのも許せないけど、それがもし飛雄だったら俺もう………… !!!!」
あなたの下の名前「意味がわからないほんとに……」
及川徹「だってだって!〜〜!〜〜…………」
(お兄ちゃんはいつまで経っても、お兄ちゃんなんだなぁ)
ふふっ、と思わず笑みが零れた。
兄は、その一瞬の表情さえ、見逃さない。
及川徹「…あなたの下の名前、変わる必要なんてないんだからさ。自分らしくいなよ。」
あなたの下の名前「…別に、普通だよ?心配しすぎだよお兄ちゃん。ハゲるよ?」
及川徹「もー!お前はいっっっつも余計な一言!」
バレーボールも、嫌いにならないでよ。
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バフッ
お風呂に入り髪を乾かした直後、ベッドに寝転がる。
やはりこれに限る。
あなたの下の名前(ん〜!!なんか初日なのにもう疲れたよ……)
ふと、体育館で見たサーブの男の子の姿を思い出した。
(すごかったなぁ……)
(もう1回、取りたい……)
(ああいうサーブに、立ち向かいたい。)
「でも、才能ないからさぁーーー……」
もう、バレーのことは忘れるって、決めたじゃん。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。