第307話

‥特別編:ファンクラブの日常‥
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2020/05/08 14:01
渡瀬歩ワタラセ アユム𝓈𝒾𝒹𝑒.°




俺の名前は渡瀬歩……。


1年3組39番。



明日はいよいよ体育祭本番だ。




?「No.One!」


渡瀬「どうした、No.eight」



彼はNo.eight。

名前は知らない。



確か1年2組……サッカー部だっただろうか。




No.eight「体育祭を目前として、我ら岩泉ファンクラブへの入会希望者が多数押し寄せております!!」




そうか……。



ファンクラブへの入会は、基本的に俺ともう1人、No.twoとの面接で決まる。



とは言っても彼女……岩泉あなた様への忠誠心があれば誰でも入会可能だ……。




しかし……。



渡瀬「あまり一度に大勢も入れていられないな。書類審査にしようか」



ここ、旧校舎三階の空教室は、岩泉あなた様のファンクラブのためだけに使用を許可された場所。


……勿論そんなこともなく、鍵を壊して入っているので先生にばれたら説教どころの騒ぎではないだろう。


俺は机の中から1枚の紙を出し、No.eightに手渡した。



渡瀬「これをコピーして名前を書かせるんだ。提出したものからNo.89から順に会員番号を渡そう」



今朝入会を希望してきた3年生の女子2人組で、88人だった。


もうそろそろ100に届くな……。


ファンクラブの男女比は今のところ6:4くらいか……。





チラッと、手元の余りの用紙に目を落とした。





【岩泉あなた様ファンクラブ】


~鉄の掟~


一つ. あなた様の幸せは自分の幸せとするべし

一つ. あなた様の健やかなる日々をお祈りするべし

一つ. あなた様によこしまな気持ちで近づくものは、ファンクラブの名の元に排除するべし

一つ. むやみやたらにあなた様に近づくことを禁ずる(天気の話のみ許可する)

一つ. 男の連絡先交換を阻止するべし

一つ. あなた様に話しかけられたら、一生分の運だと思って受け答えするべし

一つ. あなた様の男子バレー部での日々に害を及ぼせば罰に処す






……これは日々増えていっている。


ちなみに最後のは、つい最近加わったものだ。



あなた様に想い人おられるのではないか、そしてそれはバレー部なのではないかという声が上がり、一つ目の掟に乗っ取り作成した。







……必ず、最高な体育祭にさせて見せます!!

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