第25話

第21話
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2023/05/14 08:00 更新
五十嵐楓
五十嵐楓
はぁぁ……なんだか今日はいつもより疲れた気がするなぁ……
私は盛大にため息を吐く。
疲れた理由は明白すぎる。
今日だけで軽く1年分ぐらいの出来事が起きた感が否めない。

本当は今すぐにでも別途に大分したいところだが今日はそれは叶わない。
なぜなら今日は夕凪(神楽くん)の定期配信の日だからだ。

流石にこの前みたいにすっぽかす訳には行かない。
気分転換がてらに配信を見ようと決心した私は自分のパソコンを起動した。
五十嵐楓
五十嵐楓
そう言えば、この前買ったキーボードが届いてたっけ……
いつしか注文した私でも手が届くようなお安めのキーボード。
キーボードを買うとお母さんに言った時は少し引かれてしまったが、デザインとタイピング音に惚れてしまったから仕方ない。

私はハサミで丁寧にダンボールを開けると、買う前に動画でみた開封動画と同じ箱が出てきて思わずテンションが上がった。
五十嵐楓
五十嵐楓
か、かわいい……!
ピンクを基調とした丸っこいキーボードは私の好みにどストライクにあっている。
少しキーボード部分を触ってみると、ポコポコと可愛らしい音が鳴った。
五十嵐楓
五十嵐楓
早速、パソコンに接続しよーっと
キーボードに接続しようと思ってパソコンで時刻を確認すると、もういつもの時間が迫っている。
私はキーボードの接続は一旦、後にしてとりあえず夕凪の配信をリアルタイムで聞くことを優先した。
夕凪
夕凪
はい、皆さん。こんばんは〜
クリスタルライトの夕凪です。来てくれてありがと〜
聞こえるのはいつもの声。
いつもの声なはずなのに……神楽くんと姿が重なってしまう。
同一人物って言ったらそうなってしまうが、友達である私と一人のファンでいる私をどうしても自分の中で区別したかった。
神楽蓮
神楽蓮
『じゃあ、今日は普通に雑談でもしていこうかな〜』
五十嵐楓
五十嵐楓
……っ!?
一瞬、ほんの一瞬だけ、夕凪のいつもの固定キャラが神楽くんに見えて慌てて瞬きをする。

そして視界に現れたのは夕凪の固定キャラ。
あの帰り道から私はどこか変だ。

"推してる"ときとはまた違う、なんとも言えない胸の高鳴りと痛み。
五十嵐楓
五十嵐楓
(これは夕凪を推してるから? 

それとも――)
―――から?

嫌だ、嫌だイヤだ、いやだ。
まだ、認めたくない。わかりたくない。
この気持ちを……私は、知りたくない。
五十嵐楓
五十嵐楓
(……知らなくて、いい…………!)
夕凪の配信の声はいつの間にか聞こえなくなっていた。

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