駅伝をしているうちに、考えてしまったことです。
突然だけど、私には才能がない。
何をやってもダメで。何度も何度も諦めようとした。
目の前を走り続けるあの子の周りには、1番星も灯りも、何もかもあった。
灯りは、いつでもその子を引っ張ってくれた。
灯りの近くには、繭がいた。
繭はいつしか化けて、私の隣を抜かしていった。
一番星は、一度消えてしまった。
今宵は、1番星が輝くときなのかもしれない。
一番星が輝けば、私の居場所は完全になくなる。
明るく輝くミライに、暗く輝くレットウ星なんていらない。
そうは言いながらも。
目の前を走るあの子と灯りと共に。
明るいミライに少しでも私の色を塗れるように。
今は、明るく輝けるように頑張るしかない。
あの子にとっての2等星になれますように。
あなたも2等星になりませんか?一等星にならなくたっていいんですよ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。