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第11話

終わらないシンフォニー【最終話】
45
2026/05/10 09:00 更新
あの凄惨な「処刑ライブ」から、ひと月が過ぎた。
王国のスタジアムを包んでいた漆黒の結界は消え去り、
今では初夏の日差しが心地よく街を照らしている。
いれいすハウスの居間には、再び「いつもの」喧騒が戻っていた。
H h 水 瑞
あー! 初兎ちゃん、僕のプリン食べたでしょ!
H h 水 瑞
 名前に『いむ』って書いてあったのに!
sS 白 紫
…あ、ごめんw語呂が似てたから『しょう』かと思ったわ
H h 水 瑞
どこが!? 一文字も合ってないよ!!
いつものように追いかけっこを始める二人。その様子を、
ソファに深く腰掛けたIfが、呆れたように、けれどどこか愛おしそうに眺めている。
iI 青 碧
…平和やなぁ、一時はどうなるかと思ったけど
Yy 黒 黄
全くだな……喉の調子はどうだ?
iI 青 碧
まあ、日常生活には支障ないわ
でも、高音出すとまだちょっと響くかな…?
iI 青 碧
お前こそ、あの大盾で受けた衝撃、腰に来てるんちゃうか?
Yy 黒 黄
ハッ、俺を誰だと思ってんだ
Yy 黒 黄
…まあ、ほとけが泣きながらマッサージしてくれたおかげで、完治したよ
二人が笑い合っていると、キッチンからないことりうらが、お茶菓子を持って現れた。
Nn 桃 百
みんな、揃ってるね。
Nn 桃 百
…ちょっと、大事な話があるんだ
ないこの言葉に、リビングの空気がピリリと引き締まる。5人は自然と姿勢を正し、リーダーの顔を見つめた。
Nn 桃 百
…あの一件以来、みんなの心に傷が残ってるのは分かってる
Nn 桃 百
特に、洗脳されてた時の記憶がフラッシュバックして、夜に眠れないこともあるだろ?
りうら、ほとけ、初兎が、わずかに俯く。洗脳が解けたとはいえ、
仲間を殺そうとしたという「事実に近い夢」は、今も彼らの夜を時折、暗闇に染める。
Nn 桃 百
でもね、俺は思うんだ
Nn 桃 百
…あの痛みがあったからこそ、俺たちは
以前よりもずっと深く互いを知ることができた
Nn 桃 百
傷跡は、俺たちがバラバラにならなかった証拠だよ
ないこは、包帯が巻かれた自分の首筋を指先でなぞった。
それは、りうらの炎を正面から受け止めた時に刻まれた、消えない「勲章」だ。
l L 赤 赫
…ないくん……僕、
あの時言われた言葉、
今でもずっと覚えてるよ
l L 赤 赫
『お前がいない未来なんて、一秒もいらない』って
sS 白 紫
…僕も…まろちゃんが、俺の手を離さへんかった時の、あの手の熱さ
H h 水 瑞
アニキが、僕の全部を受け止めてくれるって言ってくれたこと
3人の瞳には、もはや洗脳の影などなかった。
そこにあるのは、後悔を超えた先にある、深い信頼の光だ。
Nn 桃 百
…そこで、提案なんだ
Nn 桃 百
一週間後、もう一度あの武道館で、ライブをやろうと思う
Nn 桃 百
今度は、闇の魔導師のためじゃなく、
俺たちの帰りを待っててくれた人たちと、俺たち自身のために
iI 青 碧
……リベンジか、ええな……次は、一音も外さへんぞ
Yy 黒 黄
ああ……最高の歌、聴かせてやろうぜ
一週間後。
スタジアムは、かつてないほどの熱気に包まれていた。
客席には、いれいすの無事を祈り続けていたファンたちが、色とりどりのペンライトを掲げて待っている。
ステージ裏で、6人は円陣を組んだ。
Nn 桃 百
……みんな…俺たちは一度、壊れかけた
Nn 桃 百
でも、その欠片を繋ぎ合わせて、もっと強い形になれたはずだ
……行くぞ、世界で一番熱いライブに!!
irxs−Nn 桃 百
おーーー!!!
出囃子が鳴り響き、6人が一斉にステージへ飛び出す。
スポットライトが彼らを照らした瞬間、武道館が揺れるほどの歓声が上がった。
一曲目は、あの絶望の中でないこが歌い始めた曲。
かつては血を吐くような絶唱だったそのメロディは、
今、極上のハーモニーとなって、夏の夜空へと溶けていく。
l L 赤 赫
ーー〜〜
H h 水 瑞
ーー〜ー!
sS 白 紫
〜〜ー
Nn 桃 百
ーーー〜…
iI 青 碧
〜〜ー!
Yy 黒 黄
ー〜〜〜〜ーー
6人の歌声が重なり、虹色の光となって空を突き抜ける。
その光は、王国の隅々まで届き、人々の心に希望を灯していった。

歌い終わり、肩を組んで客席にお辞儀をする6人。
その頬を、心地よい風が吹き抜けていく。
l L 赤 赫
ないくん、聞こえる? …世界が、音楽で溢れてる
Nn 桃 百
ああ……最高だね、りうら
洗脳も、絶望も、不協和音も、
すべては彼らの物語を豊かにするためのエッセンスに過ぎなかった。
彼らの前には、どこまでも続く真っ白な未来が広がっている。
東京ドームという夢のその先へ。

6人のイレギュラーな協奏曲は、決して、終わることはない。

〜The・End〜

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