第2話

Episode1“姫君は確かに頂戴した”
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2025/07/02 22:46 更新
ミシェル
…な…なに言って…。
ミシェルは当然、目を見開き彼に聞き返そうとした。
ルパン
いや勿論、ミシェル姫がこの屋敷で家族といたいというなら無理強いはしない。
ルパン
だが…今の君は少なくとも、この屋敷に閉じ込められてるようにしか見えない…
ミシェル
…閉じ込める…か…それだけならまだ良かったのかもしれませんがね…
ルパン
(…やはり…思った通りか)
ルパンがなにやら確信をしたその時、鍵を架けた筈の扉が破られる音がした。
ルパン
ミシェル
っ…!!
破られた扉からぞろぞろと入ってきたのは、何十人もの警備員と、ミシェルの父親であるこの屋敷の主であった。
警備員「いたぞ!ルパンだ!!」
警備員「お嬢様は無事か!?」
警備員「お嬢様!ソイツがルパンです!
    離れてください!」
父親『わが娘よ…こちらに来い、
   その泥棒を捕まえるのに邪魔だからな』
ミシェル
……あっ…ああぁ………っ
ミシェルは彼女の父親に鋭い目付きで声をかけられた途端、青ざめて震えだした。
ルパンは震えてる彼女の肩を優しく掴み引き寄せる。
ルパン
…悪いが、この子は俺様が戴いたぜ
ミシェル
!!
父親『なっ…ミシェル貴様…なぜ言ったのだ!!!』
ミシェル
…………!!
ミシェルは父親に鬼のような形相で怒鳴られた瞬間、
体から一気に力が抜け気を失った。
ルパンはその彼女の体を受け止め姫抱きで抱える。
ルパン
…アンタはもはや…この子の父親じゃねぇな。互いに親子だなんて思っちゃいないんだろ?
ルパン
この子が震えた瞬間…
それをいやにもすぐに確信した…
やはりこの子は…
ルパン
俺が盗んでやらないとな
そう言った瞬間、ルパンはミシェルを抱き上げたまま煙玉を床に落とし煙にまみれて姿を消す。
父親『な!?逃がすな!追え!追えええええっ!!』
ミシェルの父親の叫びが響き、警備員がぞろぞろと、
ミシェルを抱えたルパンを追い始めた。



























































































































屋敷から少し離れた林の道に、
一台の黄色い車が止まっている。
助手席には、ルパンの相棒である次元大介が、煙草をふかして座っていた。
すると静寂の空気は、
大人数の足音と大声により壊された。
次元 大介
…随分遅いご帰宅だな
ルパンは助手席のドアを開いた…と思われたが、ルパンが開いたのは後ろの席のドアだった。
次元 大介
…あ?おい、何やっt…
それが不思議に思った次元は、後部座席に振り返る。
するとそこでは、ルパンが1人の白髪の10代くらいの少女を後部座席に寝かせ自分の上着を布団代わりに被らせていた。
ルパン
悪いな次元、聞きたいことは山ほど
あるだろうが…とにかく出してくれ
次元 大介
…チッ、わかったよ
次元は納得いかないような態度をとったが、追手が多く迫ってることもあり言われた通り車にエンジンをかけて走り出す。
アジトに辿り着いたルパンと次元。
ルパンはミシェルに上着を着せたまま、姫抱きで歩き出して玄関へ向かう。
次元はそれよりも前に玄関の扉を空け、両手が塞がっているルパンをドアを押さえて中へ入らせる。
ルパンは自分の寝室のベッドに彼女を優しく寝かせ、
静かにドアを閉めてリビングに戻った。
次元 大介
…で?どういうことなんだよルパン
バーボンが入ったグラスを抱え、帽子を外した次元はソファに座りながらルパンに最大の疑問を問う。
次元は今回、ルパンからは屋敷のお宝を手に入れるだけと聞かされていたため、てっきり宝を持って帰ってくるのかと思っていたのだから。
ところがルパンが持って帰ってきたのは、宝などではなくとても若い少女。
一体自分が車で煙草をふかしている間、なにがあったと言うのだろうか…。
ルパン
…この子が今回のお宝を詳しく知っている重要人物だってのは話しただろ?
次元 大介
あぁ
ルパン
本当なら、このお嬢様…ミシェルお嬢様から聞き出してお宝を盗んじゃうという計画だったんだが…予定がかなり狂っちまった
するとルパンはズボンのポケットから、ミシェルが自ら傷つけたことにより流した涙から生み出されたサファイアを次元に投げ渡す。
次元 大介
これは…サファイアか?だいぶ値段的な価値はあるがかなり小さいな…
ルパン
…そのサファイアは、あの子の“涙”だ
次元 大介
は?何言って…
ルパン
涙石病…聞いたことあるか?
次元 大介
…確か、奇病の一種だったよな?
※ここから先、涙石病については作者の勝手な設定です
涙石病
それは涙が宝石に変わるという奇病。
患った者により生み出される宝石は様々で、ミシェルの場合はサファイアに変わる、他の者ならサファイアかもしれないし、ルビーかもしれない。
なぜそのようなことが起きるのか、それは長年医者が研究しているがわかっていない。
患った本人は涙が宝石に変わるときはかなりの痛みをともなうらしい。
次元 大介
…なるほどな、財閥企業の秘密のお宝っていうのは、娘の涙だったってことか
ルパン
あぁ…財閥企業の社長…いや奥さんもだな…多分娘として扱ってくれなかったんだと思うぜ
次元 大介
というと?
次元から聞かれたルパンは俯いて静かに答える。
ルパン
…“痛みには慣れてる”…そう言った
次元 大介
!?…おい、てことはまさか…
ルパン
…今まさしく、お前が予想している通りだと思うぜ
次元 大介
……………はぁ……だから盗んだんだな
お前が得意な“不幸な女”をよ…………
次元はルパンがこれから何をしようとしているのか察したようで、仕方ないなと言わんばかりのため息をついた。
次元 大介
仕方ねぇな、最後まで付き合ってやるよ
ルパン
さぁすが、話が速いねぇ相棒
そしてルパンと次元は、もう夜遅いのでシャワーを浴びて寝ることにしたのだった。

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