ペルセウス号の内の何処か…おそらくラボから、クロムの声が聞こえてくる。
薬って…あまりにも怪しすぎる。
まあでも、気になるには気になるので覗きには行くけれど。
ドアを開けた直後、こちらへ何かが飛んでくる。
こちらへ飛んできたのは、何か怪しげな薬品が入っているフラスコ。
私はスパイの性なのか、反射的にそれを手で払ってしまい、フラスコが粉々に破壊される。
当然中に入っていた薬品は宙を舞い、私の手についてしまう。
ピカピカッ!!
周囲を眩しい光が包む。
私もその拍子に目を瞑ると、
意識が遠のくのを感じた。
[noSide]
光が消えた直後、
そこには幼い女の子が立っていた。
そこにいたクロム、千空、龍水は目を見開いて彼女を見る。
いろんな方向から驚きの視線を向けられた彼女は、怖くなってしまったのかドアの影へ隠れてしまった。
当たり前のことのように答える千空に対し、
明らかに混乱する女の子。
数秒経つと今の状況を理解したのか、
頭を抱えて考え始めた。
そして深呼吸をしたと思うと、
たじたじの日本語で喋り始めた。
自分のスカートをぎゅっと握って、勇気を振り絞るように話す女の子。
その目には微かに涙が溜まっており、知らない大人に話しかけることをとても怖がっているように感じた。
女の子は驚いたように顔を上げ、千空を見つめる。
その瞳には、なにも汚れのない喜びだけが映っていた。
幼い女の子から出てきた“銃”という単語に、
彼らが目を見開く。
その中で、1人千空のみが状況を理解したように頭をかいた。
屈体のない笑顔を向ける、“あなたの下の名前(カタカナ)”と名乗る少女に、千空が「やっぱりな」という視線を向ける。
目を見開く龍水と、目を白黒させるクロム。
そんな中、一人の少女が千空のほうへと歩いていた。
次々と自己紹介をする3人。
そんな中、サラは目に涙をためて笑っていた。
クロムの慌てた質問に対し、
とても健気な回答を返す。
それはあまりにも普通とかけ離れており、あまりにも酷なことだった。
そんな龍水たちの言葉に、目を見開いたあなたの下の名前(カタカナ)。
ちょっと悲しそうにうつむいてるサラに対し、千空がしゃがんで視線を合わし、こう言った。
やっと満面の笑顔を浮かべたあなたの下の名前(カタカナ)を見た3人は、その可愛さにやられたようだ。
そっぽを向いて話す千空。
その耳は、ほんの少しだけ朱色に染まっていた。
あなたの下の名前(カタカナ)の全力の自己紹介に、驚きを隠せない3人。
そして、そんな3人を見て笑っている人が3名。
なぜかドヤッとしているクロムと、思った通りの反応を受けることができて喜んでいる千空に龍水。
だが、この3人の言葉はコハクに聞き取られることはなかった。
コハクは幼少期サラの可愛さに圧倒され、いつの間にか色々と世話を焼いている。
スイカがいるからか、幼い女の子の世話は手慣れているようだ。
▶羽京に1000ダメージ!
▶羽京は瀕死だ!
▶羽京に追加ダメージ!
▶羽京・DOWN!
せっせと解毒薬を作り始めた千空と、
あなたの下の名前(カタカナ)の方へ歩いていく龍水。
龍水はしゃがみ込んであなたの下の名前(カタカナ)と視線を合わすと、目をのぞき込んだ。
目をキラキラさせて龍水についていくサラを、千空が視界の端で羨ましそうに眺めていた。
ゲンは部屋から出たと思うと、
あからさまにため息をついた。
メンタリストは、何かを考える表情をしながら、
フランソワの元へ歩いている龍水たちとあなたの下の名前(カタカナ)を追いかけた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。