私は 松島 あなた
私には大好きな人がいる
その人は私とは違ってキラキラ輝いていて
いつもみんなに囲まれていて
おしゃれで
かっこよくて、、、
最初はその人が大嫌いだった
自分とは真逆の世界にいる彼に
嫉妬していた
でもいつからか憧れるようになって
そして大好きになっていた
気持ちを伝えようとかそういうのじゃない
ただ好きなだけ
この気持ちは絶対にバレたくなかった
だって私は
顔も最悪で
声も最悪で
体型も最悪で
勉強が出来るわけでも無い
運動が出来るわけでもない
なんの取り柄もない
生きてる意味のない人間だから
そう、彼が私の大好きな人
こうやって毎日挨拶してくれる
嬉しいけど私は可愛い返しなんか出来ない
毎朝クラスの男友達に宿題を
見せてもらっている彼
彼も勉強は全く出来ない
なんてったってサッカーで
この学校に入ったから
サッカーバカってこのことを言うんだってくらい
こんな平凡な日が続いて欲しかった
なのに
正直嘘コクってやつだと思ってた
だけど彼の方を見ると
頬は赤く染っていて
下唇を噛んでいて
袖を強く握っていて
緊張しているとしか言いようがない雰囲気だった
彼が好きだという度に私の頬も赤く染まる
バレていないか不安だった
私は彼が好き
だけどこの気持ちは絶対にバレてはいけない
彼は泣きそうな顔で私の顔を見る
そんな顔で見ないでよ
ほんとは大好きだよ
ずっと追いかけてたんだよ
だけどだめなの
ありがとう
何も言うことが出来ない
おかしい、おかしいよこの状況
大好きな人が隣にいる
私に合わせてゆっくり歩いてくれる
ほんと好きだ
ほんとのことを言っちゃいたい
だけどそんなこと出来ない
始まりがあれば終わりがあるって
終わりが怖いから
彼に捨てられるのが怖いから
そう言って彼は私の家から真反対の方へ走っていった













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!