今日も彼はひとりだ
誰も寄りつかない
誰かと話してるのを見たことがなくて
孤立している
噂だとヤクザの愛人の子供だとか…
だから余計に誰も関わろうとしない
そんな彼と同じ日直で
クラス全員のノート提出をすることになった
気まずい…
ふたりで廊下を歩いていても
話すこともない
今日は生理痛でお腹が痛いけど
彼ひとりに持って行ってほしいとは
頼みづらい
なんとか職員室にいき
教室に戻ると、誰もいない
そっか…移動教室か……
それも音楽って…最悪
冷や汗がでてくる
このまま教室で休んでいたい…
初めて話しかけられて
驚いた、額の汗を拭きながら頷き、
机に手をつきながら
立ち上がった瞬間に
ズキンッと子宮のあたりに
激痛がはしる
深呼吸をしながら
必死に我慢する
彼は私を支えながら
ゆっくり歩いてくれた
けど、痛くて途中で立ち止まってると
目の前で、しゃがみ込んで
おんぶ!?
驚いてると
たしかに彼の言う通りで
私がそれでも渋ってると
振り向いた彼が、ニコッと微笑んで驚いた
彼は本当に怖い人なのかな…と不思議に思うくらい
優しい笑顔
教室で待ってると彼が先生に伝えて戻ってきてくれた
かがみながら、目の前で背中を向けて
どうぞ
と言ってくれた
私は彼の背中に乗り、肩を掴むと
その日、私は彼の自転車に乗せてもらって
家まで送ってもらった
すごく優しくて礼儀正しい宮舘くん
全然怖くないし
今まで誤解してたことが、申し訳なかった
と微笑む
彼とLINEの交換をした
不思議そうに私を見た彼
心配させてるかも…
私が家に入る前に振り向くと
宮舘くんが
心配そうな顔をしていた気がしたけど
一瞬で、にこっとほほえみ、
中に入ってと
指で促したから、私は頷いて手を振った
すると彼も手を振る
家に入るといつも通りの
冷たい空気
いつもひとりぼっちで
リビングのテーブルの上にお金が2000円置いてある
もうメモすらない…お金だけ
わたしはお腹が痛いけど
日課の洗濯をする為、洗面所に歩き
洗濯機に衣類をいれた
壁にもたれながら目を閉じ、ため息をつく
『はぁ……宮舘くん…意外だったな……』
無意識に、笑顔を思い出していて
そんな自分に驚いた
2階の部屋に行き
カーテンを開けて外を見たあと
またカーテンを閉め、ベッドに寝転がる
そのまま手を伸ばし、ベッドの横にある机の引き出しを
開け、雑にお札を入れて閉めた
『いるわけ…ないじゃん…』
また明日…か…













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!