あの話し合いから数日。
私は夏休みなのにも関わらず高校へ行き、
転学届をだして、
転入の準備をしています。
と言っても転入は確定で、
私がテストの度に校内1位だった事がバレ、
校長さんともお話してあとは、引っ越す準備くらいまで進んでしまった。
そう言うと焦凍は出ていった。
がらんとした家を見て感傷に浸る。
もう、ここには姉さんしか住んでないんだ。
寂しい思いをさせてしまうな。
ごめんね、姉さん。
そう思っているとインターホンが鳴る。
私は荷物を持って、玄関へと急いだ。
___________
軽く一礼して、車に乗る。
本当に、自分でも訳の分からない事になっちゃったなぁ。
正直、不安だ。
今までヒーローをめざして頑張ってきた子達と過ごす。
家庭の事情で。
部外者の私が。
そんなふうに聞かれたって答えは1つだ。
そんな思いもバレていたようで。
その言葉に安心したのか、涙が出てくる。
私は焦凍の担任がこの人でよかったと思う反面、
嬉しくて、胸が高鳴った。
私にそんなふうに声をかけてくれる人なんていなかったから。
___________
あの、落ち着こ??
これは昨日のやつだけどね??
私びっくり。
嬉しくすぎて泣くかと思った。
ありがとう😊😊
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!