<宇髄side>
盗聴器がドドンと現れたことで、俺達は筆談を余儀なくされた。
ちなみに、そのこともお見通しだったようで、盗聴器という名の立方体の上に人数分のホワイトボードとペンが置かれていた。
俺が聞くと、4人は少し考え込んだ。
そして、突如不死川と冨岡がアイコンタクトをとると、部屋の中を確認して歩く。
一通り見てから戻ってきて、冨岡がすらすらとホワイトボードに文字を書き込んだ。
俺らは、その書き込まれた手本のように綺麗な文字を覗き込んだ。
なるほどな、と俺らは声もなく口パクだけで言う。
そして、じゃあ誰が声でヤるんだよ、と言う話になってきた。
本格的にここから脱出できそうになってきて、俺はやや安心する。
それが死亡フラグだということも知らずに。
さらりと失礼なことを書いた伊黒に突っ込み、俺は不死川と冨岡に向き直る。
それから、静かに頭を下げて「よろしく頼む」の意を示した。
その後、顔を上げた瞬間俺の目の前に飛び込んできたのは、不死川のホワイトボードだった。
思わず大声で怒鳴ってしまい、俺は慌てて咳払いで誤魔化す(?)。
絶対誤魔化せていないと思うが、まあその前の話はバレていないし大丈夫だろう。
というわけで、失礼なことにも俺と煉獄は論外だったわけだ。
まあ、1人じゃなかったことには安心できるが。
伊黒がちゃちゃっとホワイトボードに台本を書き連ねている間、俺らはドアを弄っていた。
ドアノブは不死川が破壊してしまったし、無理矢理こじ開けようとしても無理だった。
なら爆発すれば良いのでは、と俺はいつも持ち歩いているダイナマイトを投げつけたが、何故か不発だった。
このダイナマイトが不発だったことなんてないのに、それもこの部屋のせいなのか、、、
不死川が思いっきりドアに体当たりしてみたが、13回目で不死川の身体を心配した冨岡に止められた。
ドアは、あの屈強な数学教師の不死川に12回体当たりされてもビクともしなかった。
流石、小説だからこういうのはしっかりしてr((殴
そんな時、4枚のホワイトボードを持った伊黒が俺達のところに来た。
つんつんと不死川の背中をつつき、ホワイトボードを手渡す。
不死川は思いっきり顔を歪めてホワイトボードを冨岡に見せると、冨岡もまた不快そうに顔を歪めた。
だが、これもここから脱出するため。
仕方ないと腹を括ったふたりは、早速声優になりきって台本を読み上げることにしたのだった。
───あれ、俺と煉獄の存在意義は?
いつもより若干短くてすみません。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。