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第1話

ある記者の日常
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2023/05/06 13:44 更新
この世の中は嘘で塗れている。
それはメディアだって例外ではない。
どうしてそんなことが断言できるかって?
それは俺がメディアを嘘で回す張本人だからだ。
もちろん、真実もある。
でも五割くらいは捏造か真実の誇張がされている。
本物っぽくなるから。
読者様方が信じるから。

コーヒーを一口口に含みノートパソコンに向き合い直す。

今書いているのは再来週の5ページ目だ。
もう来週の分は済ませてある。
これらは毎週月曜日に自分の運営する「週刊コレクト」というサイトで販売される予定のものだ。
自分で言うのもなんだが、ゴシップ誌でありながらも信憑性が高いと評判の最大手週刊誌である。
信憑性が高いとよく聞くのはやはり本人に取材をしているからだろう。
しかも「週刊コレクト」なら応えてくれるという芸能人もいる。
そのようなこともあり、この週刊誌は人気だった。

まぁ、実際には五割嘘で賄賂で嘘を書かせることのできる信憑性に欠ける雑誌なのだが。
町下
ふぅ
やっと今日書く予定だった分を書き終え伸びをした。
この週刊誌は自分一人で書いているのでもう毎週大変だ。昨日も日付が変わってから数時間は書いていた。
だからと言って雇うこともできずに居たのだが最近流石に辛くてようやく一人伊藤という男を雇った。

通知がきたのでスマホを開き、伊藤からのメールを確認する。
伊藤
『明日からよろしくお願いします!
あの「週刊コレクト」で働けるなんて夢みたいです』
あぁ、コイツは苦手だと会ったこともないのに思った。
町下
『明日からよろしく』
適当な返事を済ませると思わず溜息が出た。
どうにかバレないようにしなくてはならない。
アイツは世界が綺麗だと信じているタイプだろう。
専門のコーナーでも作らなくてはならない。
やっと今日のうちに今日の分が終わり、眠れると思ったのにまだ仕事だ。
町下
まだやんなきゃいけねーのかよ
半ばヤケクソ気味に眠気を覚ます為のエナジードリンクの缶を開けた。

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