あの頃は、笑顔でそう言ってたな
「変な歌……」
同級生にそう言われて
きっと、これも「嘘」なんだろうな……
……なんて。いつから思い始めたっけ
タッタッタッ
「無視」しちゃった…/されちゃった…
僕は今、走っている
君のもとへと走っている
いかないで、無視しないで。
私はここだよ、
自分の大好きなギターを押し入れに押し込めた
久しぶりに声を聞いたんだ
戸惑っちゃって
ごめんね。そうただ、謝ればよかったのに
やっぱり、あの子達のところに行くんだね
私の声は届かない。
歌にしても、歌詞にしても
この想いは届かないんだ……。
ここは……何処、?
数日経って。
誰も来ない。その時、このセカイが変わった気がした
多分、「誰かが」来たんだと思う
髪の毛も少し、灰色に染まりかけていた
嬉しかった、このセカイの主が来たって
話していないけど、そう感じたんだ
海の温かさのように、優しく包んでくれる
カーテンのように。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!