第10話

過去
79
2024/06/10 11:23
あなた
えへへっ私ねっ
あなた
みんな大好きっ!!
あの頃は、笑顔でそう言ってたな


「変な歌……」
あなた
え……?
同級生にそう言われて
幼少期一歌
あなたの歌、聞き心地が良くて…私は大好きだよ
あなた
う、うん……ありがとう…一歌
きっと、これも「嘘」なんだろうな……


……なんて。いつから思い始めたっけ




星乃一歌
星乃一歌
……
あなた
あっ、おは…
タッタッタッ
あなた
っ……
星乃一歌
星乃一歌
(……また…)
あなた
(また……)



「無視」しちゃった…/されちゃった…



僕は今、走っている


君のもとへと走っている


いかないで、無視しないで。


私はここだよ、
あなた
誰がっ……グスッ見つけて………、

自分の大好きなギターを押し入れに押し込めた



天馬咲希
天馬咲希
あなたちゃん……!
久しぶりに声を聞いたんだ
あなた
……っ、、
戸惑っちゃって


ごめんね。そうただ、謝ればよかったのに
天馬咲希
天馬咲希
……やっぱ、何も無い……や!
ごめんね……!ばいばい……!!
あなた
あっ……さ…き
やっぱり、あの子達のところに行くんだね

私の声は届かない。

歌にしても、歌詞にしても

この想いは届かないんだ……。


初音ミク
初音ミク
……?
ここは……何処、?





数日経って。
初音ミク
初音ミク
……1人きり……かぁ
誰も来ない。その時、このセカイが変わった気がした



多分、「誰かが」来たんだと思う
初音ミク
初音ミク
……


髪の毛も少し、灰色に染まりかけていた
あなた
ここ……ど、こ、?
初音ミク
初音ミク
っ……!!
嬉しかった、このセカイの主が来たって


話していないけど、そう感じたんだ


海の温かさのように、優しく包んでくれる

カーテンのように。

プリ小説オーディオドラマ