第33話

🪶:「上書き世界」
90
2026/04/07 14:20 更新

🇯🇵.
 あっ , そういえばちゃんと
自己紹介してませんでしたね ,, !

🇸🇪
 あ , 思い返してみれば確かに … 

🇯🇵.
 え , えーと … 
🇯🇵.
 改めまして私は日本です ! 
能力は , … 何だったっけ , あ 能力は転換です !

🇸🇪
 転換 ? 

🇯🇵.
 はい , 例えば ……… 
🇯🇵.
 右手にボールペンを持ってるでしょう ? 
これを ……

 能力を上手く扱えるように少し目を瞑る 。

🇯🇵.
 こうできるんです , !! 

 目を開くと右手にあったボールペンが
 左手へと移動していた 。

 よしっ !! 成功 !!!!!

🇸🇪
 おぉー !!! 良いなーー !! 
🇸🇪
 マジックし放題じゃん 

🇯🇵.
 ふっふっふ …… 

 私の自己紹介が終わった所で 
 目の前の人の目をチラリと見る 。

🇸🇪
 ん ? あ次は僕か 
🇸🇪
 僕の名前はスウェーデン , 
偶にルオツィとか呼ばれるかな ?

🇯🇵.
 る , るおつぃ ……… !!! 
🇯🇵.
 ルオ君って呼んでもいいですか ?!?! 

🇸🇪
 日本君なら大歓迎だよ〜 
🇸🇪
 ところで何でボクと話に来てくれたの ? 

 ルオ君が檻越しにそう聞いてきた 。

🇯🇵.
 あ , お恥ずかしながら少しメンタルが 
前のミッションでやられてしまいまして …
🇯🇵.
 色んな人に相談したら , 
人と話すのが良いって言われたので
🇯🇵.
 来ちゃいました 。

 そう 。前回のミッション 。
 フィンランドさんの救出 。
 人が目の前で散っていくのに少しは慣れたと
 油断していたら , 後ろでバンだもの 。

 前世で平和な生活を送っていた私からすれば
 発狂ものだろう 。よく耐えたと思う本当 。

🇸🇪
 ありゃ 
🇸🇪
 それは大変だったね , お疲れ様 
🇸🇪
 日本君は戦いとか慣れてないの ? 

🇯🇵.
 慣れてないですね … 。
🇯🇵.
 何か研究所みたいな所に居たらしくて , 
戦闘経験もほぼ無いんです 。

 「 実は転生者で毎日ぬくぬく (?) 過ごしてました 」
 なんて言えるわけがない 。

 研究所には居たらしいし事実だよ 。
 事実すぎて事実陳列材ですねこれは 。

🇸🇪
 えまじ ? 日本君の上司鬼すぎて怖 。

🇯🇵.
 いつか飲み物に下剤でも
盛ってやりましょうかね 。

🇸🇪
 折角ならボク入れちゃお 。

 にこにことそう言うルオ君 。
 下剤入れるとか言っても笑ってくれるの良い人すぎる 。
 やっぱりそうですよね , 
 時代は下剤じゃなくてルオ君を入れる …

🇯🇵.
( ん ? )

🇯🇵.
 ボクを入れる …… って ? 

🇸🇪
 あ , 説明してなかったね 。
🇸🇪
 ボクの能力は溶解 , 
自分の体を液体上に出来るんだ〜 。
🇸🇪
 だから正味この檻も意味ないんだケド … 。

 呆れたような , 達観しているような目で檻を見て
 ちょんと檻に指先を当てながらルオ君は話し続けた 。

🇸🇪
 まあでも溶けたボクには 
強い毒性と溶解性があるから
🇸🇪
 絶対に触れちゃ駄目だよ 。
熱いところとかだと特に 。
🇸🇪
 熱い場所だと僕が意図しなくても 
溶けちゃうからね … 。

 指でバツマークを作って ,
 念入りに「駄目」と言ってくる 。
 こんな可愛い生き物存在してて良いんですか神様 。

🇯🇵.
 それは少し寂しいですね 

 顔を上げてルオ君の顔を見ると ,
 目を軽く見開いて固まっていた 。

🇯🇵.
 ぇ , えちょ 。ルオ君 … ?? 
大丈夫ですか ,, ?

🇸🇪
 … あ 。ごめん 。
🇸🇪
 今までそんなこと言われたこと 
無かったから , なんか新鮮でさ 。
🇸🇪
 びっくりしちゃった 。

🇯🇵.
 えっ 。

 こんな良い人が溶けるんだから
 それはもう寂しいどころの話じゃ無くないか … ???

 そんな考え事をしていると
 地下牢に誰かが降りてくる足音が響いた 。
 淡々としており , 無機質な音だ 。
 ドイツさんだろうか 。

🇫🇮
 …… よ 。兄貴 ___ 
🇫🇮
 って , 先客 …… いたのか 。

🇯🇵.
 あっ , すみません … 

🇫🇮
 … 別に 。気にしてない 。

🇸🇪
 そんな警戒しなくても大丈夫だって 。
🇸🇪
 この子日本君って言うんだけどね , 
読書好きなんだって 。
🇸🇪
 フィンと気合うかも 。

🇫🇮
 ………… 読書が ? 

 じろり , と値踏みをするような目線で
 此方へと顔を向けてくるフィンランドさん 。

🇫🇮
 どんな本読んでんの 。

🇯🇵.
 ミステリーとか … ですかね ? 

🇫🇮
 ………… へぇミステリー ,,  。
🇫🇮
 ん 。

🇯🇵.
 ん … ?? 

 フィンランドさんが鞄の中からゴソゴソと
 何かを探した後手を差し出してきた 。
 ん ? 握手 ……… ??
 取り敢えず出された手を握り返した 。

🇫🇮
 …… 違うそうじゃない 。

🇯🇵.
 ??? 

 なら何 … ??
 ルオ君の方を向くとお腹を抑えて
 少し震えながら必死に笑いを堪えていた 。

🇸🇪
 ふぃ … ふぃん … ,, にほくん … (笑 
🇸🇪
 読書好きだからって皆が皆 
ブックスワップする訳じゃ … (笑
🇸🇪
 そもそもこのご時世なんだから 
大切な本を持ち歩いてる方が可笑しいって

🇫🇮
 … 成程 。それもそうか 。

🇯🇵.
 … ? ブックスワップ … ? 

🇫🇮
 言葉の通りだ 。
🇫🇮
 オススメの本と本を交換する 。
それで新しい世界を見る 。そんだけ 。

🇯🇵.
 あっ 。てことは先程の手は …… 。
なんかすみません勝手に握手しちゃって 。

 よく見れば差し出した手とは別の手で
 本を握っている 。

 完全に私の勘違いだ 。恥ずかしい 。

🇫🇮
 … ならまた ___ 

 ピコンと可愛らしい音を立てて
 私の通信機が反応した 。

 画面を確認すると , 英さんから通知が来ていた 。

 内容を簡単にまとめると
 " 一緒に茶会をしないか " と言ったもの 。

 折角のお誘いだし , ルオ君とフィンランドさんは
 多分だけど兄弟っぽいし 。
 家族との時間は必要だろう 。

🇯🇵.
 すみません , 英さんからのお誘いが … 。

🇸🇪
 英さんが誰かは知らないけど , 
誘われたんなら行っておいで (にこ

🇫🇮
 … 茶会か ? それとも試食会か ? 

🇯🇵.
 お茶会です 。

🇫🇮
 なら安心だな 。

🇯🇵.
 ふは , そうですね 。
じゃ行ってきます , 話せて良かったです 。

 後ろをちらりと振り向くと
 フィンランドさんとルオ君が
 軽く手を振っているのが見えた 。
 2人に軽く手を振りかえし , 階段を登る 。

🇸🇪
 フィン珍しく自分から話してたね 
🇸🇪
 昔は何も無くても睨んでたのに 。

🇫🇮
 昔の話はやめろバカ兄貴 

🇸🇪
 兄貴にも優しくしてよ〜〜 

🇫🇮
 だが断る 。

🇸🇪
 泣いちゃう 。

 そんな可愛らしい会話が聞こえてきて
 私の顔にも笑みが溢れた 。
 そんな2人の言葉があの人達と少し重なる 。

 貶して , 笑って , 終わってる言動ばかりだったけど
 ほんのりと暖かかったあの人達 。

🇯🇵.
( ……… 中国さんと韓国さん , 元気かな 。)

 まあ暖かいと言っても冷めたカイロ程度だけど 。

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