スビンがユアに近づき始めてから、数日。
ユアは完全に警戒を解いていた。
最近は、自分からスビンの隣に来ることも多い。
スマホを見せながら、
自然に距離を縮める。
軽く返す。
その様子を、
少し離れた場所から4人が見てた。
スビンは、
“ユア側”にいるように見せてた。
警戒を解かせるため。
証拠を掴むため。
そして、
あなたの下の名前を守るため。
でも、
あなたの下の名前だけは何も知らない。
だから普通に笑ってた。
その笑顔を見るたび、
4人の顔が少し曇る。
午後・宿舎
リビングには誰もいない。
練習終わりで、
それぞれ部屋に戻ってる時間。
バッグの中を探る。
机の上。
ソファ。
床。
探しても、見つからない。
そのとき。
少し困ったように笑う。
声が小さくなる。
スマホの写真を見せる。
興味なさそうに返す。
でも、
その目だけが少し揺れた。
数十分後
リビングに集まってた5人を見る。
そのまま全員で探し始める。
でも、
見つからない。
少しずつ笑顔が減っていく。
スビンは、
その様子を見ながら静かにユアを見る。
ユアはスマホを触りながら、
視線を逸らした。
その違和感を、
スビンはちゃんと拾ってた。
夜
ソファに座りながら呟く。
笑おうとする。
でも、
うまく笑えてない。
そのとき。
空気が少し止まる。
興味なさそうに返す。
その瞬間、
スビンが静かに口を開いた。
ユアの顔が少し明るくなる。
深夜
宿舎は静かだった。
スビンはキッチンで水を飲んでる。
……ように見せていた。
実際はユアを待っていた。
数分後。
ガサッ
小さな音。
視線を向ける。
キッチン横のゴミ箱。
そこから出てきたのは、
ユア。
一瞬固まる。
優しい声。
責める感じはない。
笑おうとする。
でも、
スビンの視線はユアの手元に落ちてた。
白い布。
見覚えがある。
反射的に後ろへ隠す。
その瞬間、
スビンの目が変わる。
静かな声。
一歩近づく。
逃げられない。
ゆっくり、
ユアが手を出す。
そこにあったのは、
あなたの下の名前のお守り。
紐が切られてる。
軽く笑う。
でも声が震えてる。
スビンは何も言わない。
ただ、
そのお守りを見る。
ライブ前も。
不安な日も。
あなたの下の名前がずっと握ってたのを知ってる。
だから、
余計に腹が立った。
でも、
まだ耐える。
証拠を掴むため。
スビンは少し笑う。
ユアの顔が少し緩む。
完全に、
信じ始めてる。
その声はスビンによってしっかり録音されていた。
はい最後おかしかったよね気にしないでね((
お久しぶりです!
更新再開いたしました✨




















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。