配信当日。
スタジオの空気は、どこか落ち着かない。
6人がカメラの前に座る。
あなたの下の名前は中央寄り。
ユアは少し端で待機している。
スビンが軽く頷く。
🎥配信スタート🎥
コメント欄が一気に流れる。
💬『あんにょーん!』
💬『あなたの下の名前可愛い!!』
💬『待ってた!!』
💬『今日もビジュいい』
💬『あなたの下の名前ほんと好き』
さらに流れる。
💬『あなたの下の名前しか見えないㅎ』
💬『あなたの下の名前可愛すぎる』
💬『癒しすぎる』
少し前に出て頭を下げる。
コメント欄──
💬『新メンバーだ!』
💬『可愛い子入った』
💬『どんな子だろ?』
💬『これから楽しみ』
ユアの表情が少し緩む。
でも──
💬『あなたの下の名前顔小さすぎるㅎㅎ』
💬『あなたの下の名前にやっぱ目がいっちゃう』
💬『あなたの下の名前ほんと可愛い』
ユアの目が揺れる。
コメント欄───
💬『あなたの下の名前優しい』
💬『ほんといい子』
💬『こういうとこ好き』
ユアは画面を見る。
そこには、
やっぱり“あなたの下の名前”の名前が多い。
少し強めの声。
一瞬止まる空気。
配信は続く。
でも、
ユアの中ではもう何かが変わっていた。
🎥配信終了後🎥
ユアは一人、
スマホを見つめる。
そこにあるのは、
やっぱり──
💬『あなたの下の名前が1番可愛い』
💬『あなたの下の名前ほんと好き』
💬『どうしてもあなたの下の名前見ちゃうㅎ』
小さく呟く。
その感情は、
もうはっきりしていた。
嫉妬。
そしてその矛先は、
一人に向く。
“あなたの下の名前”
ここから、
静かに崩れていく。




















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。