第2話

第1話 隣にいるのが当たり前
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2026/01/25 13:05 更新
――渡辺翔太 side――
阿部亮平は、いつも俺の視界にいる。
それが当たり前すぎて、
今まで深く考えたことなんてなかった。
スタジオでのリハーサル。
音が止まると、自然と隣に阿部が来る。
阿部亮平
阿部亮平
翔太、今のカウントあってた?
渡辺翔太
渡辺翔太
あー、多分
阿部亮平
阿部亮平
多分じゃダメでしょ!笑
そう言って笑う阿部は、
昔から何も変わらない。
渡辺翔太
渡辺翔太
(……なんで、こいつはこんな近いんだよ)
肩が軽く触れる距離。
離れようと思えば離れられるのに、
俺は動かない。
宮舘涼太
宮舘涼太
仲いいな、お前ら
後ろから聞こえた声に、
少しだけ肩が跳ねた。
渡辺翔太
渡辺翔太
別に普通だろ
阿部亮平
阿部亮平
ね。普通だよね?
二人してそう言って、
顔を見合わせる。
——その瞬間、
胸の奥が妙にざわついた。
楽屋に戻っても、
阿部は当たり前みたいに俺の隣に座る。
阿部亮平
阿部亮平
今日の収録、長そうだね
渡辺翔太
渡辺翔太
そうだな
たったそれだけの会話。
なのに、
阿部が他メンバーに笑いかけると、視線が勝手に追ってしまう。
渡辺翔太
渡辺翔太
(……なんで見てんだよ、俺)
目黒が阿部に話しかける。
深澤が肩を組む。
その一つ一つに、
理由のない違和感を覚える。
「阿部は誰とでも仲いいだろ」
そう自分に言い聞かせる。
それなのに。
阿部がふと、
俺の方を見て微笑んだ。
阿部亮平
阿部亮平
翔太、後で一緒に確認しよ
渡辺翔太
渡辺翔太
……あぁ
短く返した声が、
少しだけ掠れていた。
渡辺翔太
渡辺翔太
(おかしい)
前からずっと一緒だった。
今さら、何を気にしてる。
なのに——
「翔太」
名前を呼ばれただけで、
心臓が無駄に跳ねる。
これは、
勘違いだ。
そう思わないといけない。
まだこの時の俺は、
この感情に名前をつける勇気すらなかった。

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