第3話

26
2025/09/15 11:00 更新
星狼
……はぁ…
僕は、転校生として来たくもないこの中学校に来た。
行きたくないけど、母さんが頑張ってくれたから
その期待を無にする訳にはいかないんだ。
星狼
(母さんとの約束、えっと…)
何時でも笑うこと。
決して手を抜かないこと。
星狼
(そして、狼だと分かられないこと)
僕は、僕たちは狼だ。
星狼という、人にも狼にもなれない狼。

そんな僕は、理由無く狼を嫌う
人間たちと馴れ合う気は無かった。
は〜いっ、転校生を紹介しますよ〜?
皆さん静かに〜
ドア越しでも聞こえるざわめきが
頭に響く。
星狼
黙れよ…っ
耳、OK。
しっぽ、出てない。
作り笑顔は、……おそらく大丈夫。
入ってきてくださいね〜
好奇心丸出しの視線が気持ち悪い。
今すぐ逃げ出したい。
星狼
星狼ハクカ、です、
星狼
好きな物は、狼と星、です
な、せいろうってどんな漢字書くん?
星狼
星に狼、と書きます…っ
よろしくお願いしますと頭を下げると
隣に立っていた先生から席の指定があった。
星狼
(窓側の1番後ろ、か)
はくかちゃん、だよね、?
春守蒼香はるもり そうか
隣の席だからこれからよろしくねっ!
星狼
よ、よろしくお願いします、?
な〜星狼っておーかみかなんかなん?
星狼
どうして、?
どうしてそう思うんですか、?
声が裏返る。
初日に狼だと分かられたらおしまいだ。
だって星に狼って漢字書くんだろ〜?
ぜってぇそーだろ〜
まっさかぁ!お前思考能力ねぇなぁ(笑)
本物の狼が苗字に狼って漢字入れるわけ
ないだろ、すぐバレるに決まってるしな
はぁ!?ちょっと体育館裏来いよ!
はいはい、皆さん静かに〜
星狼さんが困ってますよー?
星狼
あは、は……
星狼
(もう嫌…っ)
…今すぐにでも、この場所から
逃げ出したいよ…
……チッ

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