僕は、転校生として来たくもないこの中学校に来た。
行きたくないけど、母さんが頑張ってくれたから
その期待を無にする訳にはいかないんだ。
何時でも笑うこと。
決して手を抜かないこと。
僕は、僕たちは狼だ。
星狼という、人にも狼にもなれない狼。
そんな僕は、理由無く狼を嫌う
人間たちと馴れ合う気は無かった。
ドア越しでも聞こえるざわめきが
頭に響く。
耳、OK。
しっぽ、出てない。
作り笑顔は、……おそらく大丈夫。
好奇心丸出しの視線が気持ち悪い。
今すぐ逃げ出したい。
よろしくお願いしますと頭を下げると
隣に立っていた先生から席の指定があった。
声が裏返る。
初日に狼だと分かられたらおしまいだ。
…今すぐにでも、この場所から
逃げ出したいよ…











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!